採用情報
司法試験の受験とそれに至るまでの準備、本当にお疲れ様でした。司法試験に向けた勉強から得られる知見は、必ず皆さんの将来に有益なものとなりますし、その過程で得られた努力や経験も、必ずや前向きな形で実を結ぶものと信じています。皆さんには、是非明るい未来を信じて進んでいただきたいです。
試験を終えられて、自由な時間も増えた今は、法律家としての将来に思いを馳せる格好の機会ではないかと思います。そのような機会において、皆さんの将来の選択肢の一つとして、私たち西村あさひにも是非関心を持っていただきたいと思っています。
西村あさひは、「法の支配を礎とする豊かで公正な社会を実現する」という目標を掲げ、今から60年近く前に設立されました。設立以来、所属する弁護士たちは、依頼者に対してベストを尽くし、最善の結果を得られるようにすることで上記の目標を実現することを目指し、日々の実務に励んでいます。最近では、AIの急速な進歩や気候変動問題への対応、サステナビリティといった新たな価値観の台頭など、技術の進歩と経済の高度化はとどまることがなく、これらのテーマに関するニュースを耳にしない日はありません。むしろ、変化のスピードは加速しているようにさえ見えるところです。そして、これらの技術や経済の進展と直接に結びついている企業法務もまた、複雑化の一途を辿っています。ですが、私たちの事務所では、こうした変化をまたとないチャレンジの機会と捉え、法律家としてやりがいのある仕事ができる場面をもたらすものとして、前向きに受け止めています。特に、AIやサステナビリティなど、現時点で法の支配が十分に及んでいるとはいえない分野で新たな法律実務を確立していくことは、「法の支配を礎とする豊かで公正な社会を実現する」という目標を掲げる私たちの事務所が率先して取り組むべき使命でもあると考えているところです。
西村あさひでは、過去にも、前例のない事例に果敢に取り組んできました。まだ敵対的買収という言葉すら知られていなかった1980年代に外国人投資家によって試みられた日本企業買収の阻止、国税当局や地方自治体を相手とする大型の税務訴訟、日本の独占禁止法におけるリニエンシーの第1号案件などを手掛けたのはいずれも私たちの事務所に所属する弁護士です。西村あさひは、ストラクチャードファイナンス、国際仲裁、危機管理などの分野でも日本の法律実務をリードしてきたと自負しており、最近では、経済安全保障、AI、サステナビリティ、ビジネスと人権、データと情報などの各分野で新たなチャレンジに挑んでいる弁護士が多数在籍しています。私たちの事務所が過去に経験した新規分野における成功は、職業上の大きな喜びとして、担当した弁護士のみならず事務所全体で深く記憶されています。そして、そのような記憶は、現在、そして将来の依頼者から持ち込まれる新たな事案に対しても同様のフロンティア精神をもって臨み、仕事を通じて社会に前向きな貢献をしていきたいという強い思いにつながっているのです。
私たちが依頼者に対してベストを尽くすために重視しているもう一つの価値観が、多様性です。私たちの事務所には、個性的でとても多様な弁護士がおり、それぞれが弁護士として有用な能力を磨くために日々研鑽を重ねています。西村あさひでは、「よい弁護士とはこうあるべき」といった固定概念はありません。なぜなら、弁護士はあくまでも依頼者、そして社会に有益な貢献をなすべき存在であり、そのような貢献の仕方は人それぞれの個性と同じか、それ以上に多様な方法があり得るからです。実際、私たちの事務所の弁護士の中には、案件を引っ張るのが好きな人、サポート役が好きな人、交渉が好きな人、緻密な分析や精緻な契約書の作成が好きな人など、様々なタイプの弁護士がいます。私たちの事務所では、このような多様な弁護士がお互いを尊敬し、尊重し合い、共存することで、各弁護士の自己実現を可能とするとともに、それぞれの弁護士が特技や知見を持ち寄り、多くの知識・経験・ノウハウを結集して最善のアドバイスを依頼者に提供できるようにすることを特に重視しています。
技術と経済の高度化に伴って、法律実務の国際化も進む一方であり、外国の法律の内容を確認したり、外国の弁護士と共同で対応する必要がある事案の数も増加し続けています。西村あさひは、海外への進出を積極的に進めてきており、現在では、提携事務所およびアライアンス事務所も含めると、世界20拠点で800名を超える国内外の弁護士を擁しており、これらの拠点に勤務する日本法以外の弁護士の数も170名を超える規模に達しています。これらの海外拠点の中には、数十人規模の外国人弁護士を擁するような、大規模かつ海外現地でもレピュテーションを確立するに至っている拠点も存在します。また、これらの海外拠点の外国人弁護士と日本の弁護士が交流し、協働する場面も増えています。西村あさひが重視してきた多様性の考え方を活用することで、出身国が異なる弁護士も、個性を尊重しつつワンファームとして包摂し、事務所全体がグローバルファームを目指して力強く前進を続けています。
私たちは、このようなフロンティア精神と、多様な人材をもって、複合的な知見を結集して依頼者にとっての最善を目指す事務所のあり方を、「Leading You Forward」という理念で表現しています。常に依頼者の一歩前に立ち、先を見通しながら、依頼者が必要とするソリューションを継続的かつタイムリーに提供していくというこの理念を、実際の案件のあらゆる場面において実現していくことは、必ずしも容易なことではありません。ですが、このような理念に適う結果を達成したときの喜びは他の何にも代えがたいものがありますし、そのために重ねる努力も、楽しみと大きなやりがいを伴うものだといえます。
皆さんがもし、私たちの事務所の理念に共感を抱いて頂けるのであれば、皆さんの弁護士としてのキャリアの一歩を踏み出す場所として、西村あさひをご検討いただけたら大変幸いです。私たちの事務所では、日々の仕事を通じて時代の最先端の事象に触れ、皆さんに充実した経験を豊富に提供する環境が整っています。このような経験を得ることに関心と共感を抱いていただける皆さんに、是非、西村あさひの一員として加わっていただきたいと強く願っています。
皆さんにお会いできることを、採用担当一同、心から楽しみにしています。
2023年7月
2023年度 司法修習生採用担当弁護士一同