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昨今、データあるいは「AI」を活用したビジネスを活性化させることによって、日本経済の発展をいかに図るかが各所で活発に議論されています。一方で、日本経済の発展を目的としてデータ・AIビジネスの活性化を図る上では、そもそも何が活性化を実現する上での障害・課題となっており、また、それに応じた適切な解決策が何かを明らかにする必要があります。そしてそのためには、データ・AIビジネスをめぐる技術動向や、市場参加者間の競争と連携の状況に加え、競争法・競争政策のみならずデータ・AIビジネスに関連する多様な法政策や社会文化的要素等の考察を加える必要があります。もっとも、日本におけるこれらの検討・考察は現時点で十分に進んでいるとはいえない面があります。

そこで、データをめぐる競争と産業の法政策研究会(座長:中山信弘東京大学名誉教授・NIALS所長)は、このような問題意識から、データ・AIビジネスに関する法政策のあり方を検討するべく立ち上げられ、競争法や情報法、知的財産法等の分野の第一人者たる法学者、AI技術やIoTに精通した技術者・研究者、データ・AIビジネスに従事する企業の経営者等を委員・スピーカーとして迎え、最終的に、報告書において日本政府をはじめとする官民の関係者に対する提言をまとめました。日本語版および英語版の報告書は、下記からダウンロード頂けます。

本報告書の提言の柱は、日本政府をはじめとする官民の関係者に対して、(1)まずは当事者が市場原理に基づき、自発的にデータ利活用のためのデータの流通や共有を行い易い環境を整備すること、(2)その上で、プライバシーの保護等とデータの自由な流通・利活用の促進との間のバランスがとれた法政策を維持しつつ、データ保護主義を抑制・対抗するための通商法・政策の促進に取り組むこと、(3)データ・AIビジネスへの競争法・競争政策の当てはめの検討に当たっては、そのエンフォースメントには限界ないし副作用があることを踏まえて、健全な競争活動ないし正当化事由のある活動を委縮させず、かつ、他の事業者が代替的な競争手段の検証を怠る要因を作り出さないように検討していくことを、求めるものです。

このような本報告書の提言は、データ・AIビジネスの活性化を通じた日本経済の発展を、法政策という観点からどのように具体的に推進していくのかについて方向性を示したものになります。