西村高等法務研究所

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お知らせ

2017年3月
「宇宙資源開発に関する法研究会」が、宇宙資源開発に関する法制度のあり方についての提言をまとめた報告書を公表しました。
ニュース
2017年1月
2017年1月1日付朝日新聞朝刊34面の「(科学の扉)月面へ国際レース 日本も参戦、狙いは豊富な資源」と題する記事に、西村高等法務研究所の「宇宙資源開発に関する法研究会」の活動が紹介されました。
ニュース
2017年1月
中山信弘弁護士が西村高等法務研究所所長に就任いたしました。
ニュース

概要

設立の趣旨

西村あさひ法律事務所は、理論と実務を統合してわが国法律実務の水準を飛躍的に高めるための活動を本格的に始動させるべく、2007年4月10日付で西村高等法務研究所(Nishimura Institute of Advanced Legal Studies) を設立いたしました。

西村あさひ法律事務所におきましては、かねてから、法律実務に従事するのみにとどまらず、『M&A法大全』、『ファイナンス法大全』の出版や各種の講演会の開催を通じて、対症療法的な「臨床的法務」や、問題の発生を回避するためだけの「予防的法務」を抜け出し、「戦略的法務」を実践するとともにその成果の公表を心がけてまいりましたが、このたび、理論と実務を統合してわが国法律実務の水準を飛躍的に高めるための活動を本格的に始動させるべく、落合誠一教授(東京大学名誉教授・中央大学法科大学院教授)を所長に迎えて、西村高等法務研究所を設立いたしました。

当事務所は、企業へのベスト・アドバイザーたらんとすることはもちろんですが、それにとどまることなくわが国法律実務全体の発展に積極的に貢献する事務所でなければならないと考えております。西村高等法務研究所は、この理念のもとに、法務に関する戦略的な視点に立った理論的・実務的な調査研究に基づき、法律実務に対して発展的・先端的な提言を行うとともに、法律実務の水準を高度化するための研修や講演を企画・実施するための研究組織です。日本における社会経済活動の発展のためには、法律実務の健全な発展が不可欠であり、西村高等法務研究所は、法律実務の発展に資するべく、従来の法律実務の枠内では取組みの困難な基礎的及び応用的問題について斬新な調査研究を行い、その成果を実務に還元していく所存です。

西村高等法務研究所 組織構成

理事会
研究所の業務執行を決定し、運営委員会の活動を監督する。
江尻隆小野傑草野耕一松嶋英機米田隆
(50音順)
所長
中山信弘
運営委員会
理事会の下部組織として、研究所の企画・運営にあたる。
中山信弘米田隆川合弘造太田洋
研究員
客員上席研究員 田中民之

西村高等法務研究所は西村あさひ法律事務所内に設置された研究部門です。

所在地
東京都千代田区大手町1-1-2 大手門タワー 〒100-8124

ご挨拶

 2007年4月に西村あさひ法律事務所内に西村高等法務研究所(Nishimura Institute of Advanced Legal Studies)が設立され、初代所長として落合誠一弁護士(東京大学名誉教授)が就任し、その後、2017年1月から私が引き継ぐこととなりました。

 法曹改革の切り札として鳴り物入りで法科大学院(ロースクール)が設立されてから10年以上が経過しておりますが、法科大学院の現状は必ずしも芳しいものとはいえません。法科大学院の受験生数は激減し、多くの法科大学院では定員割れの状況にあり、撤退する大学も相次いでおります。その影響で法学部の人気も低落気味であり、以前と比較すると、法律の世界に優秀な人材が集まり難いというのが現状だろうと思います。

 他方、世の中の複雑化、グローバル化に伴って、特にビジネスの分野において優秀な法曹の必要性は高まる一方という状況にあり、われわれ法律家はこの現状を打破すべく努めるのが責務であろうと思います。西村あさひ法律事務所はわが国最大の規模の法律事務所であり、単に自己のクライアントのための仕事だけではなく、当研究所の設立の趣旨に書かれている通り、「わが国法律実務全体の発展に積極的に貢献する事務所でなければならないと考えており」、それに従って、わが国の法曹界全体のためのパワーアップを図り、もって司法を通じての国民・企業の便益の飛躍的向上に資する研究に努め、その成果の発信等を通じて社会に還元することが重要と考えます。そしてこの基本的理念は、わが国において法の支配を確立させるという当法律事務所の創立者である故西村利郎弁護士の志に合致するものであります。

 当研究所はこの基本的理念を実現するために、その設立趣旨にもある通り、「理論と実務を統合してわが国法律実務の水準を飛躍的に高めるための活動」を行うことを目的として設けられたものであり、法学と実務の実践的な融合拠点としての役割を担うべく調査研究等の活動を実施して参りました。具体的にはセミナーや講演会を通じて社会への発信を行い、その成果としての単行本も出版して参りました。また若手の研究者を研究員として迎い入れ、若手研究者が実務を踏まえた研究ができるように努めてまいりました。現在の法曹教育の現状を鑑みますと、その意義はますます大きくなっているように思えます。

 10年前には、法科大学院創設・司法試験改革・裁判員制度の導入等、国民の法律家(法律実務家・法律学者)に対する期待が高まりを見せましたが、現状を鑑みますと、今こそわれわれ法律家はこの期待に沿うべく自己努力が必要となっているように思います。特にリーガル・サービスは、単に日本国内のみに留まることなく、国際化、グローバル化が進展しつつあり、その影響で法律家は質・量ともに大きく変わらなければならないと考えます。その役割を大学だけに任せておけない現状から、われわれ大手事務所も、個別の利害を超え、法曹改革の一翼を担う必要があると考えます。前所長である落合東京大学名誉教授は、「このような国民の期待の高まりは、確固とした法の支配の実現へ向けての強い追い風でありますが、同時にそれは強い逆風にも変わり得るものであり、その意味で大変な難問がリーガル・プロフェッションに対して提起されていることでもあるのです」と述べておりまして、まさに正鵠を射た発言であり、私も落合前所長の理念を受け継ぎ、より一層の発展を期するものであります。

― 西村高等法務研究所所長 中山信弘

西村高等法務研究所設立の経緯

1. 序言

近代国家において法律は、社会構造を支える基本的なインフラであり、日本の社会経済活動の発展のためには法律実務の発展が不可欠であります。当研究所は、かかる基本的認識に立ち、わが国の法律実務の発展に些かでも寄与することを目標とし、本年4月10日に西村あさひ法律事務所を母体として設立されました。

当研究所は、その活動として、戦略的な視点に立った法律実務の理論的、実証的な調査研究を推進し、これらに基づく先端的な提言を行うとともに、法律実務の水準を高めるための研修、講演、出版などの企画を、よりオープンな形で実施することを企図しております。

2. 研究所設立に至る経緯

皆様の中には「法律事務所がなぜ研究所なのか」という疑問を抱かれた方がおられるのではないかと存じます。そこで当研究所設立に至る経緯を簡単にご紹介させて頂きます。

私どもは、ビジネス法を中心とする各実務分野において高度の専門性と総合力を有する組織的な法律事務所を構築することを目指し、多くの法律実務家を結集して、知識・ノウハウの共有化やチームワークを重視した体制によって、仕事の質の向上と業務の拡充を図ってきました。

そしてお蔭様で多くの皆様方のご支援を頂き、今日では日本有数の法律事務所に成長することができました。また、7月1日に誕生する西村あさひ法律事務所は、海外の大規模事務所に比肩する日本で最初の本格的な大規模事務所として、更なる発展と飛躍を期しております。

ところで、一般に弁護士は、日常的な弁護士業務とは別に、プロボノと呼ばれる公益活動を行うことが普通のこととされています。典型的には、弁護士会を通じた、国選弁護や当番弁護の刑事弁護活動、多重債務者問題を始めとする法律相談などの活動があり、当事務所も、所属弁護士がこれらのプロボノ活動を行うことを奨励していますが、これらはどちらかというと個人を対象とする性質のものであり、私どもが日常的に行っている業務とは異なる部分が多いと言えます。そのためもあって、私どもは、日頃から社会にとって有益なプロボノ活動とは、必ずしもこれらの活動に限定されるべきものではなく、企業法務を中心として業務を行っている弁護士や法律事務所ならではの特徴を生かした活動で、公益的な意味を有するものもあるのではないかと感じておりました。

また、私どもは日本を代表する法律事務所として、既成の弁護士像や法律事務所像に囚われない、新しい時代の法律事務所を志向しており、その特色を象徴的に示せるものが欲しいと考えておりました。

もともと、当事務所の多くの弁護士は、これまでに公的な審議会、研究会などへの参加、ロースクールを始めとする大学等における実務家教員としての活動、あるいは法律実務から派生する様々な問題をテーマとする書籍の出版、法律雑誌への寄稿、各種セミナー活動などを積極的に行っておりますが、これらの活動は、単に日常業務に役立つというよりも、むしろ法律の普及という観点から、社会に貢献できるものであることに、その意義を見出しております。

このような事情が背景としてある中で、昨年、たまたま機会があり、落合誠一教授とこのようなお話をさせて頂いたところ、私どもの考えに大いに共感を示して頂きました。そこから話が具体化し、そのような活動を、単に一法律事務所の自足的な活動として行うのではなく、より広く社会に開かれた形での公益的な活動として行うべきであり、またその趣旨を明らかにするためには、法律事務所自体の活動とは一線を画した組織とすることが適切であろうということになりました。また、このような構想については、本日講師としてお招きした他の学者の先生方からも励ましとご支援を頂いたこともあり、当研究所を発足させることとして、落合教授にはご無理をお願いして所長の任を引き受けて頂いた次第です。

3. 結語

以上のような経緯で当研究所が誕生いたしました。今後は徐々に態勢を整備し、わが国における法律実務の健全な発展に寄与するとの設立精神に沿って、アカデミズムと法律実務を包摂する斬新な企画を立てて、その活動を充実させて参りたいと存じております。

皆様方には、私どもの志をご理解頂きまして、当研究所に対して温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。

― 弁護士 小杉晃(当時、西村ときわ法律事務所(現 西村あさひ法律事務所)執行パートナー)の西村高等法務研究所設立記念講演会(2007年5月31日開催)における挨拶より抜粋