NPO等向けQ&A(2020年10月16日版)

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このページでは、NPO法人、一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人、公益財団法人(以下、あわせて「NPO等」といいます。)を主に対象とした新型コロナウイルス感染症情報関連のQ&Aを掲載しています。

皆様の関心がおありと思われる情報につき今後もアップデートしてまいります。

※2020年10月16日更新

第一 組織運営に関するQ&A

第二 資金繰りに資するQ&A

第一 組織運営に関するQ&A

1. 一般社団法人・一般財団法人・公益社団法人・公益財団法人

(1) 理事会

(理事会:Web会議・テレビ会議・電話会議、書面決議)【一般社団法人・一般財団法人・公益社団法人・公益財団法人】


Q1: 理事会を開催したいのですが、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、会場で集まるのは避けたいと考えています。どうすればよいでしょうか。
A1: 全員が会場で集まらなくても、Web会議、テレビ会議、電話会議を利用して開催することも可能です。これらのシステムを利用する場合は、各出席者の音声や映像が即時に他の出席者に伝わり、適時的確な意見表明が互いにできる仕組みになっており、出席者が一堂に会するのと同等に、相互に十分な議論を行うことができるような環境で行う必要があります(内閣府作成のFAQ(公益法人制度等に関するよくある質問) 2-6-2《https://www.koeki-info.go.jp/pdf_faq/02-06-02.PDF》もご参照ください)。
 また、定款に決議の省略に関する条項(たとえば、「一般法人法第96条の要件を満たすときは、当該提案を可決する旨の理事会の決議があったものとみなす」、「一般法人法第197条において準用する第96条の要件を満たすときは、当該提案を可決する旨の理事会の決議があったものとみなす」との条項や、「理事が、理事会の目的である事項について提案をした場合において、その提案につき理事(その事項について議決に加わることのできるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき(監事がその提案について異議を述べたときを除く。)は、その提案を可決する旨の理事会の決議があったものとみなす」との条項)がある場合には、いわゆる書面決議も可能です。具体的には、理事の一人が決議の目的である事項を提案し、議決に加わることができる理事全員が提案事項に書面又は電磁的記録による同意の意思表示をし、かつ、監事全員が異議を述べなかったときは、提案事項につき可決する旨の理事会決議があったものとみなされます(内閣府作成のFAQ(公益法人制度等に関するよくある質問) 2-7-1《https://www.koeki-info.go.jp/pdf_faq/02-07-01.PDF》もご参照ください)。

(理事会:書面決議)【一般社団法人・一般財団法人・公益社団法人・公益財団法人】


Q2: いわゆる書面決議によって理事会の決議を省略したいのですが、理事の一人から、提案内容に反対である旨の書面での回答がありました。他の理事全員は書面にて賛成の回答をしているのですが、賛成多数で可決したと整理してよいでしょうか。
A2: 反対の意思表示をした理事がいる場合には、理事会決議の省略(書面決議)は認められません。いわゆる書面決議は、理事の一人が提案した提案事項に対し、理事全員が書面又は電磁的記録による同意の意思表示をし、かつ、監事全員が異議を述べなかったときに限り、認められるものです。Web会議、テレビ会議、電話会議での開催をご検討いただくか、提案内容を見直して、新たな提案書を全理事及び全監事に送付し、再度同意書の返送を依頼することをご検討ください。

(理事会:Web会議と電話会議の組み合わせ)【一般社団法人・一般財団法人・公益社団法人・公益財団法人】


Q3: 次回の理事会をWeb会議で開催したいと考えているのですが、Web会議への参加の仕方がわからない理事がいるかもしれないので、電話での参加も可能にできないか、との意見もあります。Web会議と電話会議を組み合わせることは可能でしょうか。
A3: 各出席者の音声や映像が即時に他の出席者に伝わり、適時的確な意見表明が互いにできる仕組みになっており、出席者が一堂に会するのと同等に、相互に十分な議論を行うことができるような環境が確保できていれば差し支えありません。したがって、Web会議への参加が困難な理事が、Web会議に参加している他の出席者に電話をし、スピーカーホンで通話することにより、電話で参加している理事の音声が即時にWeb会議に出席している他の出席者に伝わり、また、Web会議に参加している出席者の音声が即時に電話で参加している理事に伝わる状況になっているのであれば、適時的確な意見表明が互いにできる仕組みになっており、出席者が一堂に会するのと同等に、相互に十分な議論を行うことができるような環境であると評価することもできると考えられます。

(理事会:書面投票・電子投票及び代理人による議決権行使の不可)【一般社団法人・一般財団法人・公益社団法人・公益財団法人】


Q4: 次回の理事会をWeb会議で開催しようと思い、代表理事から各理事に、理事会の日時、開催場所(代表理事の自宅)、議題及びWeb会議へのアクセス方法を記載した電子メールを送付したところ、理事の1人から、代表理事宛に返信があり、「Web会議に詳しくないので、次の理事会は代表理事に全て任せるが、議題全部に賛成である」と書かれていました。この電子メールをもって、この理事は議決権を行使したといえるでしょうか。あるいは、代表理事に議決権行使を委任したといえるでしょうか。
A4: 理事会においては書面投票・電子投票も、代理人による議決権行使も認められていません。そのため、Web会議に参加して、審議に参加しなければ、議決権行使はできず、参加しなかった理事は、事前にご質問のような電子メールを送っていても、欠席となります。

(理事会:開催頻度)【一般社団法人・一般財団法人・公益社団法人・公益財団法人】


Q5: 法人の内部規程で、2か月に1回理事会を開催すると規定されています。重要な決議事項がないので、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、理事会の開催を見合わせたいと考えていますが、法的に問題があるでしょうか。
A5: 内部規程の内容を具体的に検討する必要がありますが、一般的に、天災その他の事由により開催することができない状況が生じたときにまで、理事会を開催することを要求する趣旨ではないと考えられます。そのため、不要不急の決議事項がないのであれば、あえて理事会を開催する必要はないと考えられます。
 他方で、一般法人法上、代表理事及び業務執行理事が、3か月に1回以上(定款に定めれば、毎事業年度に4か月を超える間隔で2回以上)自己の職務の執行の状況を理事会に報告しなければならないことから、少なくともこれを可能にする頻度で開催する必要があります。この代表理事及び業務執行理事の職務執行状況報告については、いわゆる書面決議を用いて理事会への報告を省略することが認められていません。そのため、定款において、代表理事及び業務執行理事の職務執行状況報告につき、「毎事業年度に4か月を超える間隔で2回以上」との規定を設けていない限り、3か月に1回以上、理事会の開催が必要となります。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、Web会議、テレビ会議、電話会議を利用して開催することをご検討ください。

(理事会:職務執行報告)【一般社団法人・一般財団法人・公益社団法人・公益財団法人】


Q6: 前回の理事会からもうすぐ3か月が経ちますので、代表理事及び業務執行理事が、職務執行状況報告のために理事会を開催しなければなりません。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、Web会議、テレビ会議、電話会議による開催を検討したのですが、理事及び監事が利用できるシステムが整備されていません。どうすればよいでしょうか。
A6: 代表理事及び業務執行理事の職務執行状況報告については、いわゆる書面決議を用いて理事会への報告を省略することが認められていません。そのため、理事会の開催が必要です。Web会議、テレビ会議、電話会議を利用することが難しく、かつ、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、会場で集まることは避けるべき状況であれば、職務執行状況報告を実施するためだけに集まって理事会を開催するのは必ずしも得策ではありません。この点、職務執行状況報告に関して一般法人法の規定が準用されている社会福祉法人については、「理事会の開催について、新型コロナウイルス感染症拡大抑制を図る観点から、やむを得ず3月中に開催することが困難な法人については、可能になり次第、速やかに開催すること」、「新型コロナウィルス感染症の感染拡大抑制を図る観点から、やむを得ず3月中に理事会を開催することが困難なため、年度内に報告が困難な法人について、所轄庁が当該法人の指導監査を行うにあたっては、当該報告の時期の取扱いについて柔軟に対応することとされたいこと」との指導がなされています(令和2年3月9日付け厚生労働省社会・援護局福祉基盤課作成の事務連絡「新型コロナウィルス感染症の発生に伴う社会福祉法人の運営に関する取扱いについて」《https://www.mhlw.go.jp/content/000606441.pdf》1(4))。また、内閣府も、理事会の開催時期について、「今般の新型コロナウイルス感染症に伴う影響のように、やむをえない事由により、当初予定していた時期に開催できない場合、その状況が解消された後合理的な期間内に開催していただければ、行政庁としては、その状況を斟酌して対応いたします」との考え方を示しています(令和2年5月18日付け「新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う公益法人の運営に関するお知らせ」《https://www.koeki-info.go.jp/administration/pdf/20200518_houzinunei.pdf》)。そこで、Web会議、テレビ会議、電話会議を利用して理事会を開催することが難しい場合は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、会場に集まって理事会を開催することが可能になるまで理事会を延期することが考えられます。その場合、理事会を開催することが可能になり次第速やかに理事会を開催し、その理事会で代表理事及び業務執行理事の職務執行状況報告を実施することが必要です。

(2) 社員総会

(社員総会:開催時期)【一般社団法人・公益社団法人】


Q1: 法人の事業年度は4月1日から3月末日までなのですが、定款に「定時社員総会は、毎事業年度終了後3か月以内に開催する」と規定されているため、6月末日までに定時社員総会を開催しなければなりません。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、定時社員総会の開催を遅らせたいと考えていますが、法的に問題があるでしょうか。
A1: ご指摘の定款の規定は、通常、天災その他の事由によりその時期に定時社員総会を開催することができない状況が生じたときまで、その時期に定時社員総会を開催することを要求する趣旨ではないと考えられます。
 また、内閣府も、社員総会の開催時期について、「今般の新型コロナウイルス感染症に伴う影響のように、やむをえない事由により、当初予定していた時期に開催できない場合、その状況が解消された後合理的な期間内に開催していただければ、行政庁としては、その状況を斟酌して対応いたします」との考え方を示しています(令和2年5月18日付け「新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う公益法人の運営に関するお知らせ」《https://www.koeki-info.go.jp/administration/pdf/20200518_houzinunei.pdf》)。
 そこで、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、6月末までに定時社員総会を開催することが困難と判断した場合には、定時社員総会の開催を遅らせることも可能と考えられます。なお、定時社員総会の開催が可能になった後合理的な期間内に定時社員総会を開催しなければなりません(株式会社の定時株主総会に関するものですが、法務省作成の令和2年2月28日付け(令和2年5月15日更新)「定時株主総会の開催について」《http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00021.html》もご参照ください)。

(社員総会:書面投票・電子投票、入場制限)【一般社団法人・公益社団法人】


Q2: 定時社員総会には、毎年多数の社員が出席しています。本年度は、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、「3つの密」が生じることを避けたいと考えています。どうすればよいでしょうか。
A2: 社員に対して書面投票・電子投票を利用し、社員総会会場への来場を控えるよう呼びかけることが考えられます。また、社員総会会場に来場した社員については、社員同士の間に十分な空間を保てるように、合理的な範囲内で入場制限をすることも考えられます。
 書面投票とは、社員総会に出席しない社員が、議決権行使書面を提出することによって議決権を行使するという投票方法です。電子投票とは、社員総会に出席しない社員が、電磁的方法によって議決権行使書面に記載すべき事項を提供して議決権を行使するという投票方法です。書面投票・電子投票を実施するには、定時社員総会の招集を決定する際に、書面投票・電子投票ができる旨を定める必要があります。なお、書面投票・電子投票を採用した場合には、社員総会の2週間前までに招集通知を発送しなければなりません。社員総会の招集通知を社員に送付する際に、招集通知や法人のウェブサイト等において、社員の健康に配慮し、社員総会会場への来場を控え、書面投票・電子投票の利用を呼びかけることが考えられます(株式会社の株主総会に関するものですが、経済産業省及び法務省作成の令和2年4月2日付け(令和2年4月28日最終更新)「株主総会運営に係るQ&A」《https://www.meti.go.jp/covid-19/kabunushi_sokai_qa.html》Q1参照)。
 また、経済産業省及び法務省は、株主総会の運営に関して、「新型コロナウイルスの感染拡大防止に必要な対応をとるために、やむを得ないと判断される場合には、合理的な範囲内において、自社会議室を活用するなど、例年より会場の規模を縮小することや、会場に入場できる株主の人数を制限することも、可能と考えます」との見解を示しています(令和2年4月2日付け(令和2年4月28日最終更新)「株主総会運営に係るQ&A」《https://www.meti.go.jp/covid-19/kabunushi_sokai_qa.html》Q2)。このことは、一般社団法人・公益社団法人にもあてはまると考えられますので、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、やむを得ない場合には、会場の規模の縮小や、会場に入場できる社員の人数を制限することも考えられます。
 なお、社員総会に出席する機会を社員から奪うのは適切ではありません。そこで、社員総会への出席について事前登録制を採用し、招集通知を社員に送付する際に、招集通知や法人のウェブサイト等において、事前登録制を採用すること、社員総会への入場制限を実施することを周知し、会場設営にあたっては、事前登録のあった社員ができるだけ社員総会に出席できるような対応を心がけることが望ましいと考えられます(株式会社の株主総会に関するものですが、経済産業省及び法務省作成の令和2年4月2日付け(令和2年4月28日最終更新)「株主総会運営に係るQ&A」《https://www.meti.go.jp/covid-19/kabunushi_sokai_qa.html》Q3参照)。

(社員総会:書面投票・電子投票)【一般社団法人・公益社団法人】


Q3: 定時社員総会では書面投票・電子投票を利用したいと考えています。法人の定款には、一般法人法第49条第1項と同じく「総社員の議決権の過半数を有する社員が出席し、出席した当該社員の議決権の過半数をもって行う」との規定があるのですが、書面投票・電子投票を利用する社員が社員総会の会場に出席しないとすると、社員総会の会場に実際に出席する社員の議決権は、総社員の議決権の過半数よりも少なくなります。それでも社員総会で決議できるのでしょうか。
A3: 書面投票・電子投票により議決権を行使した書面は、出席した社員の議決権の数に算入されます。したがって、社員総会の会場に実際に出席した社員と書面投票・電子投票により議決権を行使した社員の議決権の数の合計が過半数に達していれば、決議は可能です。

(社員総会:入場制限)【一般社団法人・公益社団法人】


Q4: 社員総会において、発熱や咳などの顕著な症状がみられる社員が来場した場合、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、会場への入場をお断りすることは可能でしょうか。
A4: まずは、入場を控えるよう説得することが考えられますが、応じてもらえない場合には、新型ウイルス感染拡大防止の観点から、入場を制限することも許されるものと考えられます(株式会社の株主総会に関するものですが、経済産業省及び法務省作成の令和2年4月2日付け(令和2年4月28日最終更新)「株主総会運営に係るQ&A」《https://www.meti.go.jp/covid-19/kabunushi_sokai_qa.html》Q4参照)。なお、このような対応が必要となることに備えて、招集通知を社員に送付する際に、招集通知や法人のウェブサイト等において、「体調不良と見受けられる方の入場はお断りする場合があります」等の説明をすることが望ましいと考えられます。

(社員総会:Web会議・テレビ会議・電話会議、書面決議)【一般社団法人・公益社団法人】


Q5: 定時社員総会には、毎年20名程度の社員全員が出席しているのですが、本年度は、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、会場で集まるのは避けたいと考えています。どうすればよいでしょうか。
A5: 全員が会場で集まらなくても、Web会議、テレビ会議、電話会議を利用して開催することも可能です。これらのシステムを利用する場合は、各出席者の音声や映像が即時に他の出席者に伝わり、適時的確な意見表明が互いにできる仕組みになっており、出席者が一堂に会するのと同等に、相互に十分な議論を行うことができるような環境で行う必要があります。
 また、いわゆる書面決議も可能です。理事会の場合と異なり、定款に書面決議が可能である旨の規定が設けられている必要はありません。具体的には、理事又は社員の一人が決議の目的である事項を提案し、社員全員が提案事項に書面又は電磁的記録による同意の意思表示をしたときは、提案事項につき可決する旨の社員総会決議があったものとみなされます(内閣府作成のFAQ(公益法人制度等に関するよくある質問)2-7-1《https://www.koeki-info.go.jp/pdf_faq/02-07-01.PDF》もご参照ください)。

(社員総会:Web会議と電話会議の組み合わせ)【一般社団法人・公益社団法人】


Q6: 次回の社員総会をWeb会議で開催したいと考えているのですが、Web会議への参加の仕方がわからない社員がいるかもしれないので、電話での参加も可能にできないか、との意見もあります。Web会議と電話会議を組み合わせることは可能でしょうか。
A6: 各出席者の音声や映像が即時に他の出席者に伝わり、適時的確な意見表明が互いにできる仕組みになっており、出席者が一堂に会するのと同等に、相互に十分な議論を行うことができるような環境が確保できていれば差し支えありません。したがって、Web会議への参加が困難な社員が、Web会議に参加している他の出席者に電話をし、スピーカーホンで通話することにより、電話で参加している社員の音声が即時にWeb会議に出席している他の出席者に伝わり、また、Web会議に参加している出席者の音声が即時に電話で参加している社員に伝わる状況になっているのであれば、適時的確な意見表明が互いにできる仕組みになっており、出席者が一堂に会するのと同等に、相互に十分な議論を行うことができるような環境であると評価することもできると考えられます。

(社員総会:書面決議)【一般社団法人・公益社団法人】


Q7: いわゆる書面決議によって社員総会の決議を省略したいのですが、社員の一人から、提案内容に反対である旨の書面での回答がありました。他の社員全員は書面にて賛成の回答をしているのですが、賛成多数で可決したと整理してよいでしょうか。
A7: 反対の意思表示をした社員がいる場合には、社員総会決議の省略(書面決議)は認められません。いわゆる書面決議は、理事又は社員の一人が提案した提案事項に対し、社員全員が書面又は電磁的記録による同意の意思表示をしたときに限り、認められるものです。Web会議、テレビ会議、電話会議での開催をご検討いただくか、提案内容を見直して、新たな提案書を全社員に送付し、再度同意書の返送を依頼することをご検討ください。

(社員総会:書面決議)【一般社団法人・公益社団法人】


Q8: 理事会を設置する一般社団法人においては、計算書類等を承認するための理事会の開催日と、定時社員総会の開催日は、中14日以上空ける必要があると聞きました。今回、いわゆる書面決議によって、定時社員総会で行うべき決議を省略したいと考えているのですが、中14日以上空けるために留意すべき点を教えてください。
A8: いわゆる書面決議によって定時社員総会で行うべき決議を省略する場合には、計算書類等を承認するための理事会の開催日と、定時社員総会の決議があったものとみなされた日との間を中14日以上空ける必要はありません。
 理事会を設置する一般社団法人及び公益社団法人においては、定時社員総会を開催する場合、定時社員総会の日の2週間前から計算書類等を主たる事務所に備え置くとともに、計算書類等の写しを従たる事務所に備え置かなければならず、そのため、計算書類等を承認するための理事会の開催日と、定時社員総会の開催日との間を、中14日以上空ける必要が生じます。一方、いわゆる書面決議によって、定時社員総会で行うべき決議を省略する場合には、書面決議の提案があった日から計算書類等を主たる事務所に備え置くとともに、計算書類等の写しを従たる事務所に備え置けばよいとされています。

(3) 評議員会

(評議員会:開催時期)【一般財団法人・公益財団法人】


Q1: 法人の事業年度は4月1日から3月末日までなのですが、定款に「定時評議員会は、毎事業年度終了後3か月以内に開催する」と規定されているため、6月末日までに定時評議員会を開催しなければなりません。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、定時評議員会の開催を遅らせたいと考えていますが、法的に問題があるでしょうか。
A1: ご指摘の定款の規定は、通常、天災その他の事由によりその時期に定時評議員会を開催することができない状況が生じたときまで、その時期に定時評議員会を開催することを要求する趣旨ではないと考えられます。
 また、内閣府も、評議員会の開催時期について、「今般の新型コロナウイルス感染症に伴う影響のように、やむをえない事由により、当初予定していた時期に開催できない場合、その状況が解消された後合理的な期間内に開催していただければ、行政庁としては、その状況を斟酌して対応いたします」との考え方を示しています(令和2年5月18日付け「新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う公益法人の運営に関するお知らせ」《https://www.koeki-info.go.jp/administration/pdf/20200518_houzinunei.pdf》)。
 したがって、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、6月末までに定時評議員会を開催することが困難と判断した場合には、定時評議員会の開催を遅らせることも可能と考えられます。なお、定時評議員会の開催が可能になった後合理的な期間内に定時評議員会を開催しなければなりません(なお、株式会社の定時株主総会に関するものですが、法務省作成の令和2年2月28日付け(令和2年5月15日更新)「定時株主総会の開催について」《http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00021.html》もご参照ください)。

(評議員会:Web会議・テレビ会議・電話会議、書面決議)【一般財団法人・公益財団法人】


Q2: 評議員会を開催したいのですが、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、会場で集まるのは避けたいと考えています。どうすればよいでしょうか。
A2: 全員が会場で集まらなくても、Web会議、テレビ会議、電話会議を利用して開催することも可能です。これらのシステムを利用する場合は、各出席者の音声や映像が即時に他の出席者に伝わり、適時的確な意見表明が互いにできる仕組みになっており、出席者が一堂に会するのと同等に、相互に十分な議論を行うことができるような環境で行う必要があります(内閣府作成のFAQ(公益法人制度等に関するよくある質問)2-6-2《https://www.koeki-info.go.jp/pdf_faq/02-06-02.PDF》もご参照ください)。
 また、いわゆる書面決議も可能です。理事会の場合と異なり、定款に書面決議が可能である旨の規定が設けられている必要はありません。具体的には、理事の一人が決議の目的である事項を提案し、議決に加わることができる評議員全員が提案事項に書面又は電磁的記録による同意の意思表示をしたときは、提案事項につき可決する旨の評議員会決議があったものとみなされます(内閣府作成のFAQ(公益法人制度等に関するよくある質問)2-7-1《https://www.koeki-info.go.jp/pdf_faq/02-07-01.PDF》もご参照ください)。

(評議員会:書面決議)【一般財団法人・公益財団法人】


Q3: いわゆる書面決議によって評議員会の決議を省略したいのですが、評議員の一人から、提案内容に反対である旨の書面での回答がありました。他の評議員全員は書面にて賛成の回答をしているのですが、賛成多数で可決したと整理してよいでしょうか。
A3: 反対の意思表示をした理事がいる場合には、評議員会決議の省略(書面決議)は認められません。いわゆる書面決議は、理事の一人が提案した提案事項に対し、評議員全員が書面又は電磁的記録による同意の意思表示をしたときに限り、認められるものです。Web会議、テレビ会議、電話会議での開催をご検討いただくか、提案内容を見直して、新たな提案書を全評議員に送付し、再度同意書の返送を依頼することをご検討ください。

(評議員会:Web会議と電話会議の組み合わせ)【一般財団法人・公益財団法人】


Q4: 次回の評議員会をWeb会議で開催したいと考えているのですが、Web会議への参加の仕方がわからない評議員もいるかもしれないので、電話での参加も可能にできないか、との意見もあります。Web会議と電話会議を組み合わせることは可能でしょうか。
A4: 各出席者の音声や映像が即時に他の出席者に伝わり、適時的確な意見表明が互いにできる仕組みになっており、出席者が一堂に会するのと同等に、相互に十分な議論を行うことができるような環境が確保できていれば差し支えありません。したがって、Web会議への参加が困難な評議員が、Web会議に参加している他の出席者に電話をし、スピーカーホンで通話することにより、電話で参加している評議員の音声が即時にWeb会議に出席している他の出席者に伝わり、また、Web会議に参加している出席者の音声が即時に電話で参加している評議員に伝わる状況になっているのであれば、適時的確な意見表明が互いにできる仕組みになっており、出席者が一堂に会するのと同等に、相互に十分な議論を行うことができるような環境であると評価することもできると考えられます。

(評議員会:書面投票・電子投票及び代理人による議決権行使の不可)【一般財団法人・公益財団法人】


Q5: 次回の評議員をWeb会議で開催する旨理事会で決議し、代表理事から各評議員に、評議員会の日時、開催場所(代表理事の自宅)、議題及びWeb会議へのアクセス方法を記載した電子メールを送付したところ、評議員の1人から、代表理事宛に返信があり、「Web会議に詳しくないので、次の評議員会は他の評議員に任せたいが、議題全部に賛成である」と書かれていました。この電子メールをもって、この評議員は議決権を行使したといえるでしょうか。あるいは、他の評議員に議決権行使を委任したといえるでしょうか。
A5: 評議員会においては書面投票・電子投票も、代理人による議決権行使も認められていません。そのため、Web会議に参加して、審議に参加しなければ、議決権行使はできず、参加しなかった評議員は、事前にご質問のような電子メールを送っていても、欠席となります。

(評議員会:書面決議)【一般財団法人・公益財団法人】


Q6: 計算書類等を承認するための理事会の開催日と、定時評議員会の開催日は、中14日以上空ける必要があると聞きました。今回、いわゆる書面決議によって、定時評議員会で行うべき決議を省略したいと考えているのですが、中14日以上空けるために留意すべき点を教えてください。
A6: いわゆる書面決議によって定時評議員会で行うべき決議を省略する場合には、計算書類等を承認するための理事会の開催日と、定時評議員会の決議があったものとみなされた日との間を中14日以上空ける必要はありません。
 定時評議員会を開催する場合、定時評議員会の日の2週間前から計算書類等を主たる事務所に備え置くとともに、計算書類等の写しを従たる事務所に備え置かなければならず、そのため、計算書類等を承認するための理事会の開催日と、定時評議員会の開催日との間を、中14日以上空ける必要が生じます。一方、いわゆる書面決議によって、定時評議員会で行うべき決議を省略する場合には、書面決議の提案があった日から計算書類等を主たる事務所に備え置くとともに、計算書類等の写しを従たる事務所に備え置けばよいとされています。

(4) 計算書類等

(計算書類等:事業計画書)【公益社団法人・公益財団法人】


Q1: 法人の事業年度が5月1日から4月末日までなのですが、定款に「この法人の事業計画書、収支予算書、資金調達及び設備投資の見込みを記載した書類については、毎事業年度の開始の前日までに、代表理事が作成し、理事会の承認を受けなければならない」と規定されています。そのため、4月末日までに理事会を開催して承認を得なければならなかったのですが、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、4月に予定していた理事会を延期したので、まだ理事会の承認が得られておらず、まだ「事業計画書等に係る提出書」を行政庁に提出できていません。どうすればよいでしょうか。
A1: ご指摘の定款の規定は、公益社団法人及び公益財団法人においては、毎事業年度開始の日の前日までに、「事業計画書等に係る提出書」を行政庁に提出しなければならないことを踏まえたものと考えられますが、天災その他のやむを得ない事由により毎事業年度開始の開始の前日までに理事会の承認を得るのが困難な状況が生じたときまで、その時期までに理事会を開催することを要求する趣旨ではないと考えられます。
 また、内閣府は、行政庁への書類提出について、「今般の新型コロナウイルス感染症に伴う影響のように、やむをえない事由により、事業計画書、収支予算書、財産目録、計算書類、事業報告などの書類の行政庁への提出が遅れる場合は、行政庁としては、その状況を斟酌して対応いたします」との考え方を示すとともに、理事会の開催時期について、「今般の新型コロナウイルス感染症に伴う影響のように、やむをえない事由により、当初予定していた時期に開催できない場合、その状況が解消された後合理的な期間内に開催していただければ、行政庁としては、その状況を斟酌して対応いたします」との考え方を示しています(令和2年5月18日付け「新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う公益法人の運営に関するお知らせ」《https://www.koeki-info.go.jp/administration/pdf/20200518_houzinunei.pdf》)。
 そこで、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、4月に開催を予定していた理事会を延期し、その結果、事業計画書の承認が遅れることもやむを得ない場合もあり得ると考えられます。但し、理事会については、全員が会場で集まらなくても、Web会議、テレビ会議、電話会議を利用して開催することも可能です。また、定款に決議の省略に関する条項がある場合には、いわゆる書面決議も可能です(これらの方法については、(1) Q1 (理事会:Web会議・テレビ会議・電話会議、書面決議)をご参照ください)。まずは、これらの方法により理事会の承認を得ることができないか、ご検討ください。検討の結果、理事会の承認を得ることが難しい場合には、その結果、「事業計画書等に係る提出書」の行政庁への提出が遅れても、行政庁は、その状況を斟酌して対応するものと考えられます。

(計算書類等:事業報告等に係る提出書)【公益社団法人・公益財団法人】


Q2: 法人の事業年度は4月1日から3月末日までなので、「事業報告等に係る提出書」を6月末までに行政庁に提出しなければならないのですが、緊急事態宣言以降、テレワークを実施しているため、計算書類の作成が進められない状況です。また、監査が間に合うのかも不安です。このような状況ですが、6月末の提出期限は遵守しなければならないのでしょうか。
A2: 内閣府は、行政庁への書類提出に関して、「今般の新型コロナウイルス感染症に伴う影響のように、やむをえない事由により、事業計画書、収支予算書、財産目録、計算書類、事業報告などの書類の行政庁への提出が遅れる場合は、行政庁としては、その状況を斟酌して対応いたします」との考え方を示しています(令和2年5月18日付け「新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う公益法人の運営に関するお知らせ」《https://www.koeki-info.go.jp/administration/pdf/20200518_houzinunei.pdf》)。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からテレワークを実施しているため、計算書類の作成や監査手続に支障を来している場合、無理に6月末の提出期限に間に合わせる必要はないと考えられます。
 なお、計算書類の作成が遅れる場合には、公益社団法人の場合は社員総会、公益財団法人の場合は評議員会の開催時期を遅らせることも検討する必要があると考えられますので、社員総会については(2)Q1(社員総会:開催時期)、評議員会については(3)Q1(評議員会:開催時期)もご参照ください。

(行政庁への書類提出:公益目的支出計画実施報告書)【一般社団法人・一般財団法人】


Q3: 法人の事業年度は4月1日から3月末日までなので、公益目的支出計画実施報告書を6月末までに行政庁に提出しなければならないのですが、緊急事態宣言以降、テレワークを実施しているため、計算書類の作成が進められない状況です。また、監査が間に合うのかも不安です。このような状況ですが、6月末の提出期限は遵守しなければならないのでしょうか。
A3: 内閣府は、行政庁への書類提出に関して、「今般の新型コロナウイルス感染症に伴う影響のように、やむをえない事由により、事業計画書、収支予算書、財産目録、計算書類、事業報告などの書類の行政庁への提出が遅れる場合は、行政庁としては、その状況を斟酌して対応いたします」との考え方を示しています(令和2年5月18日付け「新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う公益法人の運営に関するお知らせ」(https://www.koeki-info.go.jp/administration/pdf/20200518_houzinunei.pdf)II)。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からテレワークを実施しているため、計算書類の作成や監査手続に支障を来している場合、無理に6月末の提出期限に間に合わせる必要はないと考えられます。
 なお、計算書類の作成が遅れる場合には、一般社団法人の場合は社員総会、一般財団法人の場合は評議員会の開催時期を遅らせることも検討する必要があると考えられますので、社員総会については(2)Q1(社員総会:開催時期)、評議員会については (3)Q1(評議員会:開催時期)もご参照ください。

(5) 事業関係

(事業関係:基本財産の処分)【一般財団法人・公益財団法人】


Q1: 緊急事態宣言以降、事業運営を自粛しており、事業収入が途絶えてしまいました。一方で、従業員の人件費、施設の賃料等の支出がありますので、事業継続のためには、基本財産を処分することも避けられないのではないかと思っています。基本財産を処分するときの留意点を教えてください。
A1: 基本財産とは、法人が保有する財産のうち、法人の目的である事業を行うために不可欠なものとして定款で定めたものを指します。理事は、定款で定めるところにより、基本財産を維持しなければならず、かつ、基本財産について、法人の目的である事業を行うことを妨げることとなる処分をしてはならないとされています。しかしながら、事業継続のためにやむを得ないのであれば、定款に定められた方法に従って、基本財産を処分することも許されると考えられます。多くの場合、基本財産の処分には、理事会及び評議員会の決議が必要となり、いずれについても3分の2以上の多数による決議を必要とする例も多いです。なお、定款において、基本財産の処分に関し、評議員会の決議を必要とするという規定のみ定められており、理事会の決議を必要とする規定がない場合でも、評議員会を招集するためには、基本財産の処分を評議員会の目的事項とすることについて理事会で決議しなければならないほか、多くの場合、基本財産の処分は「重要な財産の処分」に該当するため、理事会の決議が必要となります(一般法人法第197条において準用する同法第90条第4項第1号)。理事会又は評議員会の開催については、上記(1)理事会(3)評議員会のQ&Aもご参照ください。
 公益財団法人の場合、公益目的事業を行うために不可欠な特定の財産(不可欠特定財産)を基本財産に指定していることが多いと考えられます。事業継続に不可欠な財産であるため、その処分は必要最小限の範囲にとどめるべきと考えられますが、公益財団法人については、基本財産の処分の結果、当該事業年度末の遊休財産額が保有制限を超過する可能性がありますので、この観点からも、必要最小限の範囲にとどめるように留意する必要があります。

(事業関係:基本財産への担保設定)【一般財団法人・公益財団法人】


Q2: 事業継続のために金融機関から融資を受けようとしましたが、法人の事業継続に不可欠な重要な財産である基本財産に担保を設定することを要求されました。このような担保設定は可能でしょうか。
A2: 基本財産への担保設定も基本財産の処分に該当しますので、定款に定められた基本財産の処分に必要な手続をとることにより、担保設定が可能になります。詳細は、上記Q1(事業関係:基本財産の処分)をご参照ください。

(事業関係:収支相償)【公益社団法人・公益財団法人】


Q3: 新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、法人の実施する公益目的事業に関する複数のイベントを中止したため、今年度の支出は大幅に減少する見込みです。そのため、今年度は公益目的事業に係る収入が費用を上回る見込みです。この場合、収支相償の基準を満たさないことから、公益認定を維持するためには、イベントを実施する等により支出を増やすしかないのでしょうか。
A3: 収支相償の観点から、無理に支出を増やす必要はありません。そもそも、収支相償の基準は、単年度で必ず収支が均衡することまで求めるものではありません。
収支相償は2段階で判断され、第1段階では公益目的事業単位での収支を確認し、第2段階では法人の公益活動全体での収支を確認します。第1段階において、ある公益目的事業において収入が費用を上回った場合には、将来の当該事業の拡充等に充てるための特定費用準備資金への積立てをもって費用とみなすこと等によって、中長期的に収支が均衡することが確認されれば、収支相償の基準を満たすとされています(公益認定等に関する運用について(公益認定等ガイドライン)I-5-(1)-1。なお、内閣府作成のFAQ(公益法人制度等に関するよくある質問)V-2-3《https://www.koeki-info.go.jp/pdf_faq/05-02-03.PDF》もご参照ください)。特定費用準備資金を積み立てたものの、予想外の事情の変化等によって剰余金が生じる場合、この剰余金が連年にわたって発生し続けるものではなく、当該事業を通じて短期的に解消される見込みのあるものであれば、収支相償の基準を充たすと整理し得ると考えられます(公益認定等に関する運用について(公益認定等ガイドライン)I-5-(4)-2。なお、内閣府作成のFAQ(公益法人制度等に関するよくある質問)V-2-5《https://www.koeki-info.go.jp/pdf_faq/05-02-05.PDF》もご参照ください)。
 第2段階において、収入が費用を上回る場合には、公益目的事業に係る特定費用準備資金として計画的に積み立てることになります。剰余金が生じる場合、公益目的保有財産となる実物資産の取得又は改良に充てるための資金への積立てや、当期の公益目的保有財産の取得に充てる等の場合には、収支相償の基準を充たすと整理し得ると考えられます(公益認定等に関する運用について(公益認定等ガイドライン)I-5-(4)-1。なお、内閣府作成のFAQ(公益法人制度等に関するよくある質問)V-2-5《https://www.koeki-info.go.jp/pdf_faq/05-02-05.PDF》もご参照ください)。
 なお、内閣府は、今般の新型コロナウイルスの感染拡大を受け、「今般の事態のため事業を中止・延期して予定どおり支出できず、単年度で収入が費用を上回っても、行政庁としては、その状況を斟酌して対応いたします」との見解を示しています(令和2年5月18日付け「新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う公益法人の運営に関するお知らせ」《https://www.koeki-info.go.jp/administration/pdf/20200518_houzinunei.pdf》)。

(事業関係:事業対象の拡大)【一般社団法人・一般財団法人・公益社団法人・公益財団法人】


Q4: がん治療及びがん予防に関する研究に対して助成金を交付する事業を行っているのですが、今般の新型コロナウイルスの感染拡大を受け、助成対象に新型コロナウイルス感染症の治療及び予防を加えたいと考えております。可能でしょうか。また、可能な場合、行政庁にはどのような手続が必要でしょうか。
A4: (実施の可否)
 新型コロナウイルスの治療及び予防に関する研究助成が、定款の「目的」の条項(一般的には、「この法人は、●●を目的とする」との条項)及び「事業」の条項(一般的には、柱書に「この法人は、前条の目的を達するため、次の事業を行う」と規定して、各号に具体的な事業を列挙する条項)に記載された法人の事業内容に含まれるか否かを検討しなければなりません。法人は、定款に定められた目的の範囲外にあたる事業をすることはできないと考えられているためです。
 おそらく、定款の「事業」の条項に、「がん治療及びがん予防に関する研究の助成」といった内容が含まれているものと思われますが、この記載から、新型コロナウイルス感染症の治療及び予防に関する研究の助成が法人の事業に含まれていると読み込むことは困難です。定款の「事業」の条項の中で、関連するものが上記しかない場合には、定款を変更しない限り、新型コロナウイルス感染症の治療及び予防への研究助成を実施することはできません。
 一方、たとえば「がんその他重要な疾病の治療及び予防に関する研究の助成」と記載されていた場合、「目的」の条項の内容やこれまでに実施してきた事業の内容等を踏まえて検討する必要がありますが、「その他重要な疾病」には、がん以外の重要な疾病も含まれると考えられますので、新型コロナウイルス感染症の治療及び予防への研究助成も、法人の目的の範囲内であり、実施可能と整理し得ると考えられます。
 なお、定款の「事業」の条項の最後には、「その他この法人の目的を達成するために必要な事業」といったバスケット条項といわれる条項が設けられていることも多いです。バスケット条項があれば、どのような事業でも実施可能というわけでは必ずしもなく、このバスケット条項に含まれる事業の範囲は、「目的」の条項の内容、これまでに実施してきた事業の内容等を踏まえて検討する必要があります。
(行政庁への手続)
 公益社団法人又は公益財団法人の場合、助成対象の拡大に伴い、行政庁に対して変更認定申請又は変更届出が必要となります。公益目的事業の内容を変更する場合は、原則として変更認定申請が必要となりますが、公益認定申請書又は移行認定申請書(公益認定又は移行認定後に変更認定申請書を提出している場合は最新の変更認定申請書)の記載内容の変更を伴わない場合は、変更届出で足りるとされています。また、記載内容の変更を伴う場合でも、事業目的に照らして当該公益目的事業における受益の対象や規模が拡大する場合、チェックポイントの事業区分が変わらず、かつ、チェックポイントに沿った説明に実質的な変更がない場合、申請書に参考情報として記載されているに過ぎない事項の変更と考えられる場合には、変更届出で足りるとされます(内閣府公益認定等委員会「公益目的事業に係る変更認定・変更届出ガイド」《https://www.koeki-info.go.jp/administration/pdf/201701_henkounintei_todokede_guide.pdf》参照。なお、内閣府作成のFAQ(公益法人制度等に関するよくある質問)XI-1-1《https://www.koeki-info.go.jp/pdf_faq/11-01-01.PDF》もご参照ください)。
 公益認定申請書、移行認定申請書又は変更認定申請書における個別事業の事業概要を記載する「事業の概要について」の欄には、当該事業の趣旨、内容、事業の対象者の範囲、数、属性等が分かるように具体的に記載することが求められており、助成事業の場合、選考方法等の記載も求められています。そのため、これらの申請書の「事業の概要について」の記載内容を変更する必要がある場合も多いと思われます。一方で、ご質問の事例は、助成対象に新型コロナウイルス感染症の治療及び予防を加えるものであり、受益の対象や規模が拡大するに過ぎないとも整理し得るところです。このような事例の場合には、事業の公益性の判断に影響があるかないかとの点が重要と考えます。すなわち、助成対象に新型コロナウイルス感染症の治療及び予防を加えることにより、事業の公益性についての説明が変更又は追加される場合には、変更認定申請が必要であるのに対し、特に変更がない場合には変更届出で足りるものと考えられます。なお、内閣は、変更認定申請の時期について、「事業開始後の合理的な期間内に提出いただければ、行政庁としては、今般の状況を斟酌して対応いたします」との考え方を示しています。(令和2年5月18日付け「新型コロナウイルス感染症拡大に伴う公益法人の運営に関するお知らせ」《https://www.koeki-info.go.jp/administration/pdf/20200518_houzinunei.pdf》IV)。
 移行法人の場合、助成対象の拡大に伴い、行政庁に対して変更認可申請又は変更届出が必要となります。公益目的事業を追加する場合は、行政庁に対して変更認可申請が必要です。がん治療及びがん予防に関する研究に対する助成事業を公益目的事業として実施している場合には、上記公益社団法人又は公益財団法人についての記載と同様です。すなわち、助成対象に新型コロナウイルス感染症の治療及び予防を加えることにより、事業の公益性についての説明が変更又は追加される場合には、変更認可申請が必要であるのに対し、特に変更がない場合には変更届出で足りるものと考えられます。
 一方、継続事業として実施している場合には、新型コロナウイルス感染症の治療及び予防を加えることにより、事業の目的・性格の同一性が認められるか否かが重要となります。事業の目的・性格の同一性が認められる場合には、変更認可申請及び変更届出は不要ですが、事業の目的・性格の同一性が認められない場合には、新型コロナウイルス感染症の治療及び予防に関する研究助成事業について、公益目的事業として追加するために変更認可申請をする必要があります(なお、内閣府作成のFAQ(公益法人制度等に関するよくある質問)XI-1-2《https://www.koeki-info.go.jp/pdf_faq/11-01-02.PDF》もご参照ください)。

(事業関係:事業対象の拡大)【一般社団法人・一般財団法人・公益社団法人・公益財団法人】


Q5: ●●県出身の学生に対する奨学金給付事業を行っており、対象の学生20人に対して、一人あたり月10万円の支給をしております。今般の新型コロナウイルスの感染拡大を受け、対象学生の数を増やしたいと考えておりますが、可能でしょうか。また、可能な場合、行政庁にはどのような手続が必要でしょうか。
A5: (実施の可否)
 一般に、奨学金給付事業を行っている法人が、支給対象の学生を増やすことは、定款で奨学金対象の学生の上限数を規定しているような例外的な場合を除き、可能です。但し、定款の「目的」の条項(一般的には、「この法人は、●●を目的とする」との条項)又は「事業」の条項(一般的には、柱書に「この法人は、前条の目的を達するため、次の事業を行う」と規定して、各号に具体的な事業を列挙する条項)において、●●県出身の学生以外に対する給付を前提としないような記載(典型的には、「●●県出身者の優秀な学生で経済的理由により修学困難な者に対し、奨学金を給付することによって、社会に有為な人材を育成することを目的とする」との条項)がなされている場合には、新しく奨学金を支給する対象も、●●県出身の学生でなければなりません。
(行政への手続)
 公益社団法人又は公益財団法人の場合、助成対象の拡大に伴い、行政庁に対して変更認定申請又は変更届出の要否を検討する必要があります。支給対象者者はすべて●●県出身の学生であり、対象人数が増加しただけであれば、対象人数の変更によって事業の公益性についての判断が変わる状況は考え難いため、変更認定申請は必要なく、変更届出で足ります(●●県出身以外の学生にも支給する場合は、事業の公益性についての判断に影響を与えるか否かによって変更認定申請か、変更届出かを判断します。この点はQ4(事業関係:事業対象の拡大)をご参照ください。)。また、公益認定申請書、移行認定申請書又は変更認定申請書における個別事業の事業概要を記載する「事業の概要について」の欄に記載されている対象人数は概数と考えることができ、そうであれば対象人数を一時的に増やしたとしても、必ずしも「事業の概要について」の欄の記載を修正する必要はないため、変更届出も不要と考えられます。
 移行法人の場合、助成対象の拡大に伴い、行政庁に対して変更認可申請又は変更届出の要否を検討する必要があります。奨学金給付事業を公益目的事業として実施している場合は、上記公益社団法人又は公益財団法人についての記載と同様です。一方、継続事業として実施している場合は、事業の目的・性格の同一性が認められる限り、変更認可申請及び変更届出は不要であり、対象人数が増加しただけで、追加対象者も「事業の概要欄について」の欄に記載されている趣旨と同趣旨で奨学金を給付するのであれば、通常、事業の目的・性格の同一性は認められると考えられます。しかし、事業の目的・性格の同一性が認められない場合(たとえば、●●県出身の学生に限定した事業であったものを●●県出身以外の学生に拡大するような場合)には、追加の奨学金給付事業について、公益目的事業として追加するために変更認可申請をする必要があります(なお、内閣府作成のFAQ(公益法人制度等に関するよくある質問)XI-1-2《https://www.koeki-info.go.jp/pdf_faq/11-01-02.PDF》もご参照ください)。

(事業関係:定款変更)【一般社団法人・一般財団法人・公益社団法人・公益財団法人】


Q6: 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、新規事業を実施したいと考えているのですが、定款の「目的」の条項及び「事業」の条項に記載された法人の事業内容には必ずしも含まれないため、定款を変更したうえで、新規事業を始めようと思っています。定款の変更のために必要な手続を教えてください。
A6: 一般社団法人及び公益社団法人において、定款の「目的」の条項及び「事業」の条項を変更するためには社員総会において、総社員の議決権の3分の2以上の賛成が必要です(定款でこれを上回る割合を定めた場合にはその割合以上の賛成が必要です)。議決権数について社員ごとに異なる定めをしている場合には、上記に加え、総社員の半数以上の賛成も必要となります。
 なお、公益社団法人及び理事会を設置している一般社団法人においては、社員総会を招集するには、理事会決議が必要となります。理事会の開催については(1)理事会を、社員総会の開催については(2)社員総会をご参照ください。
 一般財団法人及び公益財団法人については、定款において「目的」の条項及び「事業」の条項を変更することができる旨の定めがなければ、原則として定款の「目的」及び「事業」の条項を変更することができません。「目的」及び「事業」の条項について定款変更を可能にする旨の規定がある場合は、特別利害関係を有する評議員を除いた残りの総評議員の3分の2以上の賛成が必要です(定款でこれを上回る割合を定めた場合にはその割合以上の賛成が必要です)。
 なお、評議員会を招集するには、理事会決議が必要となります。理事会の開催については(1)理事会を、評議員会の開催については(3)評議員会をご参照ください。

(事業関係:会費の徴収)【一般社団法人・公益社団法人】


Q7: 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、助成対象拡大原資の一部とするために、会員から臨時会費を徴収しようと考えています。どのような手続をとれば良いでしょうか。
A7: 一般に、「会費」と称されているものには、一般法人法第27条に基づく社員の経費負担義務に基づくものと、社員と一般社団法人又は公益社団法人との間の個別の同意に基づくものの2種類があり、徴収手続が異なる場合があります。
 まず、一般法人法第27条に基づく社員の経費負担義務については、定款に社員に経費負担義務を負わせる旨の規定が必要です。定款に社員の経費負担に関する規定(たとえば、「社員は、当法人の目的を達成するため、それに必要な経費を支払う義務を負う」との規定)がない場合、社員に経費負担義務を課すことはできません(課すためには、定款変更が必要となります)。経費負担の手続は、当該法人で定めた権限分配のルールに従います(そのため、理事会から委任を受けた代表理事が決定することもあり得ます)。但し、経費、すなわち、事業活動において経常的に生じる費用を超えて、社員に負担を負わせることはできません。
 次に、一般法人法第27条に基づかない会費については、社員と一般社団法人又は公益社団法人との間の個別の同意に基づくものであり、同意内容に従った手続で会費を徴収することが可能です。一般的には、理事会決議で制定される会員に関する規程の中に会費が規定されていることが多いと考えられます。当該規程に臨時会費の手続の規定があればそれに従い、年1回の会費徴収の規定しかない場合には、当該規程を改訂する必要があります。
 なお、一般法人法第27条に基づかない会費については、一般法人法上の社員ではない者(「会員」、「準会員」、「賛助会員」等の呼称が用いられることもあります)からも、「会員」との個別の同意に基づいて会費を徴収することが可能です。さらに、法的には構成員の存在しない一般財団法人又は公益財団法人においても、「会員」との個別の同意に基づいて会費を徴収することが可能です。

2. NPO法人

(1) 社員総会

(社員総会:決議の省略)


Q1: 通常社員総会を毎年6月に開催しているのですが、新型コロナウイルス感染防止の観点から、今年に限り特定非営利活動促進法第14条の9に基づく社員総会の決議の省略を利用することで、開催を避けたいと考えています。所轄庁からは、通常社員総会の決議の省略を利用するのは避けるべきとの指導を受けたことがありますが、社員総会の決議の省略を利用することにより通常社員総会を開催しないことは、法的に問題があるでしょうか。
A1: 特定非営利活動促進法第14条の9に基づく社員総会の決議の省略(書面決議)を利用するにより、通常社員総会を開催しないことは可能です(特定非営利活動法人制度研究会編『解説特定非営利活動法人制度』(商事法務、2013)52頁。内閣府作成の「新型コロナウイルス感染拡大に係るNPO法Q&A」《https://www.npo-homepage.go.jp/news/coronavirus/coronavirus-qa》Q1もご参照ください)。もちろん、ガバナンスの観点から、書面決議によらず、通常社員総会を開催することが望ましいと考えられますが、新型コロナウイルス感染防止の観点から、会場に社員を集めるのをやめ、「3つの密」を避けることは必要な対応とも考えられます。
 社員総会の決議の省略(書面決議)は、理事又は社員の一人が社員総会の決議の目的である事項を提案し、社員全員が提案事項に書面又は電磁的記録による同意の意思表示をしたときは、提案事項につき可決する旨の社員総会決議があったものとみなすという制度です。
 社員の一人からでも反対する旨の回答があれば、決議の省略(書面決議)を利用することはできません。Web会議、テレビ会議、電話会議での開催をご検討いただくか、反対のあった提案につき、提案内容を見直して、新たな提案書を全社員に送付し、再度同意書の返送を依頼することをご検討ください。
 決議の省略(書面決議)については、札幌市作成の令和2年4月15日更新「新型コロナウイルスの影響により社員総会の通常開催が難しいとき」社員総会の決議の省略について≪https://www.city.sapporo.jp/shimin/support/npo/naikakufutuuchi20200305.html≫が参考になります。こちらには分かりやすい図≪https://www.city.sapporo.jp/shimin/support/npo/documents/nposyainsoukai_minashiketsugi.pdf≫も掲載されていますのでご参照ください。

(社員総会:決議の省略)


Q2: 通常社員総会には、毎年20名程度の社員全員が出席しているのですが、本年度は、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、会場で集まるのは避けたいと考えています。どうすればよいでしょうか。
A2: 全員が会場で集まらなくても、Web会議、テレビ会議、電話会議を利用して開催することが可能です。これらのシステムを利用する場合は、各出席者の音声や映像が即時に他の出席者に伝わり、適時的確な意見表明が互いにできる仕組みになっており、出席者が一堂に会するのと同等に、相互に十分な議論を行うことができるような環境で行う必要があります(特定非営利活動法人制度研究会編『解説特定非営利活動法人制度』(商事法務、2013)51頁。内閣府作成の「新型コロナウイルス感染拡大に係るNPO法Q&A」《https://www.npo-homepage.go.jp/news/coronavirus/coronavirus-qa》Q1もご参照ください)。
 また、社員に対して、書面による表決(書面表決)・電磁的方法による表決を利用するよう呼びかけることも考えられます。
 書面表決とは、社員総会に出席しない社員が、書面を提出することによって表決権を行使するという方法です。電磁的方法による表決とは、社員総会に出席しない社員が、電磁的方法によって表決権を行使するという方法です。電磁的方法による表決は、定款において電磁的方法による表決ができる旨を定めていることが必要ですが、書面表決は定款に特段の規定がなくても利用可能です。
 なお、札幌市作成の令和2年4月15日更新「新型コロナウイルスの影響により社員総会の通常開催が難しいとき」書面表決、表決委任等の活用について≪https://www.city.sapporo.jp/shimin/support/npo/naikakufutuuchi20200305.html≫が参考になります。こちらには分かりやすい図≪https://www.city.sapporo.jp/shimin/support/npo/documents/20200415syuusei_nposyainsoukai_syomenhyouketsu_hyouketsuinin.pdf≫も掲載されています。

(社員総会:決議の省略)


Q3: 通常社員総会の招集通知において、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために社員に会場への来訪を控えるよう呼びかけることは可能でしょうか。
A3: 社員に対して社員総会会場への来訪を控えるよう呼びかけることが、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から必要と認められる場合には、下記の株式会社の株主総会の事例等を参考にして、所轄庁にご相談の上で対応をご検討ください。
 経済産業省及び法務省は、株主総会の運営に関して、「株主総会の招集通知等において、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために株主に来場を控えるよう呼びかけること」を可能であるとした上で、「会場を設定しつつ、感染拡大防止策の一環として、株主に来場を控えるよう呼びかけることは、株主の健康に配慮した措置と考えます。なお、その際には、併せて書面や電磁的方法による事前の議決権行使の方法を案内することが望ましいと考えます」との見解を示しています(経済産業省及び法務省作成の令和2年4月2日付け(令和2年4月28日最終更新)「株主総会運営に係るQ&A」《https://www.meti.go.jp/covid-19/kabunushi_sokai_qa.html》Q1参照)。
 また、経済産業省及び法務省は、株主総会の運営に関して、「会場に入場できる株主の人数を制限すること」を可能であるとした上で、「株主に来場を控えるよう呼びかけることに加えて、新型コロナウイルスの感染拡大防止に必要な対応をとるために、やむを得ないと判断される場合には、合理的な範囲内において、自社会議室を活用するなど、例年より会場の規模を縮小することや、会場に入場できる株主の人数を制限することも、可能と考えます」との見解を示しています(令和2年4月2日付け(令和2年4月28日最終更新)「株主総会運営に係るQ&A」《https://www.meti.go.jp/covid-19/kabunushi_sokai_qa.html》Q2参照)。
 経済産業省及び法務省の上記見解の前提となる新型コロナウイルスの感染拡大防止の考え方は、NPO法人にもあてはまると考えられます。新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点からすると、社員総会に参加する社員の権利も、公共の福祉に適合した形で行使することが望まれるところと考えられます。そこで、NPO法人の社員総会に関して内閣府から同様の見解が示されているものではありませんが、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、やむを得ない場合には、上記経済産業省及び法務省の上記見解を参考に、所轄庁と相談の上、会場への来訪を控えるよう呼びかけること、会場の規模の縮小、会場に入場できる社員の人数を制限することも考えられます。

(2) 所轄庁への書類提出

(所轄庁への書類提出:事業報告書等の提出)


Q1: 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、事業報告書等や役員報酬規程等を期限内に提出できそうにありません。どうすればよいでしょうか。
A1: 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、事業報告書等や役員報酬規程等の提出が遅延する見込みの場合は、所轄庁にご相談ください。事前の相談があった場合のみ柔軟な対応をとるとの見解を示している所轄庁もありますので、必ず所轄庁にご相談ください。
 内閣府は各所轄庁に対して、運用上の工夫として、2020年1月1日以降6月末までが提出期限となっている事業報告書等(特定非営利活動促進法第29条)や役員報酬規程等(特定非営利活動促進法第55条)について、提出が遅延した場合、2020年9月末までを目安に督促等を行わないことを含めた柔軟な対応を依頼したとのことです(内閣府作成の「新型コロナウイルス感染拡大に係るNPO法Q&A」≪https://www.npo-homepage.go.jp/news/coronavirus/coronavirus-qa≫Q2参照)。これを受け、多くの所轄庁が、内閣府の依頼に基づき柔軟な対応を検討しています。たとえば、東京都では、「東京都における新型コロナウイルス感染症のまん延の影響を受けた者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する条例」が制定され、2020年4月7日から同年7月30日までの間に履行期限が到来する提出書類については、7月31日までに提出された場合、新型コロナウィルス感染症の蔓延により履行されなかったことについて、その不履行に係る行政上及び刑事上の責任(過料を含む)は問われないものとされています(東京都「【令和2年4月23日】事業報告書等の提出書類の期限について」≪https://www.seikatubunka.metro.tokyo.lg.jp/houjin/npo_houjin/notice/0000001443.html≫参照)。所轄庁ごとに対応が異なりますので、必ず所轄庁にご相談ください(なお、所轄庁のホームページは、NPO等向け参考リンク集《https://www.jurists.co.jp/ja/common/covid-19/ngo-link.html》の第二組織運営に関する情報 2.NPO法人をご参照ください)。

第二 資金繰りに資するQ&A

1. 概要


Q1: 新型コロナウイルス感染症に関連し、NPO等が利用可能な助成金等にはどのようなものがありますか。
A1: NPO等が利用可能な助成金等に関する情報を以下のページにまとめましたのでご覧ください。NPO等向け参考リンク集《https://www.jurists.co.jp/ja/common/covid-19/ngo-link.html

Q2: 新型コロナウイルス感染症の影響で資金繰りが悪化しています。NPO等に適用される税金や社会保険料等の延納・軽減措置はありませんか。
A2: NPO等に適用される税金や社会保険料等の延納・軽減措置を以下のページにまとめましたのでご覧ください。NPO等向け参考リンク集《https://www.jurists.co.jp/ja/common/covid-19/ngo-link.html

Q3: 新型コロナウイルス感染症の影響で手元資金が減少しています。NPO等が利用可能な融資等はありませんか。
A3: NPO等が利用可能な融資等を以下のページにまとめましたのでご覧ください。NPO等向け参考リンク集《https://www.jurists.co.jp/ja/common/covid-19/ngo-link.html

Q4: 新型コロナウイルス感染症の影響でNPO等の事業を縮小することになったため、収入が減少するスタッフの生活が心配です。個人が利用可能な借入等にはどのようなものがありますか。
A4: 個人が利用可能な借入等に関する情報を以下のページにまとめましたのでご覧ください。NPO等向け参考リンク集《https://www.jurists.co.jp/ja/common/covid-19/ngo-link.html

2. NPO等を対象とする助成金等

(1) 雇用調整助成金・緊急雇用安定助成金


Q1: 雇用調整助成金とはどのような制度ですか。
A1: 経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされ、休業等を実施する事業主を対象に、労働者の雇用を維持するために必要な費用を助成する制度です。制度自体は元々存在していましたが、新型コロナウイルス感染症の流行等に伴い、助成の対象や内容が大きく拡充されています(特例措置)。最新の情報は、厚生労働省のウェブサイト《https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html》上で発表されています。

Q2: 雇用調整助成金は、NPO等も対象となりますか。
A2: (1)雇用保険適用事業所の事業主であり、(2)労働者が雇用保険の被保険者であれば、雇用調整助成金の助成対象となります。ただし、雇用保険被保険者となるべき労働者を雇用しているにもかかわらず、その労働者が雇用保険の適用を受けていなかった場合には、雇用保険の適用の手続を行う必要があります(参照:雇用調整助成金FAQ 問01-05《https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000645240.pdf》)。NPO等で職員等の賃金に公費が支払われている事業主についての取り扱い、NPO等の生産指標についての取り扱いは、令和2年9月30日版雇用調整助成金FAQ 問03-11・問03-12をご確認ください《https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000645242.pdf》。

Q3: 上記A2の条件を満たしていなければ、従業員の雇用を維持するために休業等を実施しても一切助成は受けられないのでしょうか。
A3: A2の(1)及び(2)の条件を満たさない場合であっても、緊急対応期間(2020年4月1日から12月31日)中は、緊急雇用安定助成金という異なる制度の適用対象となる場合があります。
具体的には、(1)につき、雇用保険適用事業所でない場合も、労災保険適用事業所、暫定任意適用事業所であれば、緊急雇用安定助成金の対象となり得ます(参照:令和2年9月30日版雇用調整助成金FAQ 問06-05《https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000645245.pdf》)。
また、(2)につき、雇用労働者が雇用保険に加入していない場合でも、緊急雇用安定助成金の支給対象となります(参照:令和2年9月30日版雇用調整助成金FAQ 問06-03《https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000645245.pdf》)。
 なお、緊急雇用安定助成金は、休業以外の出向や教育訓練は助成対象とならないなど雇用調整助成金とは要件や対象等が異なりますので、詳細については、緊急雇用安定助成金支給要領《https://www.mhlw.go.jp/content/000632681.pdf》をご確認ください。

Q4: 雇用調整助成金は、どのような場合に受給できますか。
A4: 雇用調整助成金は、失業の予防その他雇用の安定を図るため、(1)労働者を休業させて法定以上の休業手当を支払った場合、(2)労働者を休業させずに所定労働時間内に教育訓練を実施した場合、(3)従業員を出向させた場合に受給することができます。
なお、(1)休業の場合に、事業主が支払う休業手当が労働基準法26条に定める法定要件を下回っていた場合、雇用調整助成金の受給対象にはなりませんので、留意が必要です。

Q5: 特例措置に基づき雇用調整助成金を受給するためには、どのような条件がありますか。
A5: 特例措置の適用を受けるための主な要件は以下のとおりです。
(1) 事業主が、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたことにより、経営環境が悪化し事業活動が縮小していること
(2) 売上高または生産量などの事業活動を示す指標の最近1か月間(休業した月(その前月または前々月でも可))の値が1年前の同じ月に比べ5%以上減少していること
(3) 休業や教育訓練を実施する場合には、労働者の過半数で組織する労働組合(過半数労働組合)又は過半数労働組合がない場合には労働者の過半数を代表するものとの間で事前にその内容について協議した上で書面で協定を締結し、その決定に沿って実施すること
その他の要件及び各要件の詳細は、雇用調整助成金ガイドブック(簡易版)令和2年9月30日現在 3-5頁《https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000644877.pdf#page=5》を参照してください。

Q6: 特例措置に基づき雇用調整助成金を受給する場合、受給額はどのように算出されますか。
A6: 計算式は、雇用調整助成金ガイドブック(簡易版)令和2年9月30日現在 7頁《https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000644877.pdf#page=9》で確認してください。

Q7: 雇用調整助成金を受給できる休業等の日数に上限がありますか。
A7: 通常の場合、1年で100日という上限があります。ただし、緊急対応期間(2020年4月1日から12月31日)に事業主が実施した休業等の日数は、上記限度期間とは別枠で利用が可能です。(参照:雇用調整助成金FAQ 問04-13《https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000645243.pdf》)。

Q8: 雇用調整助成金制度は他の給付金制度等と併用できますか。
A8: 一部の助成金とは併用できない場合があるため、他の雇用関係助成金を受給している場合などについては、個別に併給調整の必要性が判断されることとなります。併用の可否は、事業所を所管する都道府県労働局又はハローワークにお問い合わせください。

Q9: 雇用調整助成金の申請にはどのような書類が必要になるのでしょうか。
A9: 提出書類の様式は、厚生労働省のウェブサイトからダウンロードできます(《https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyouchouseijoseikin_20200410_forms.html》)。5月19日以降、小規模事業者(従業員が概ね20人以下の会社や個人事業主の方)については、申請書類が簡略化され、その他の事業者と間で申請書類が異なることとなりましたので、ご注意ください。

<小規模事業者 ※従業員が概ね20人以下の会社や個人事業主の方>
 休業等実施計画届出書の提出が不要になるとともに、申請が簡略化されました。支給申請書類や添付書類の詳細は、雇用調整助成金支給申請マニュアル:休業編《https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000639652.pdf》、訓練編《https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000639662.pdf》及び厚生労働省のウェブサイトの【小規模事業主(従業員が概ね20人以下の事業主)の方向けの申請様式】という項目【雇用保険被保険者の休業用】の部分《https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyouchouseijoseikin_20200410_forms.html》をご確認ください。

<小規模事業者以外の事業者>
 休業等実施計画届出書の提出が不要になりました。支給申請書類や添付書類の詳細は、厚生労働省のウェブサイトの【小規模事業主以外(従業員が概ね20人超の中小企業・大企業)向けの申請様式】という項目の雇用調整助成金 【雇用保険被保険者の休業用】の部分《https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyouchouseijoseikin_20200410_forms.html》をご確認ください。
 なお、Q3記載のように、雇用保険被保険者ではない従業員を休業させた場合については、雇用調整助成金ではなく、緊急雇用安定助成金の対象となり、申請書類が異なります。提出書類の様式は、雇用調整助成金と同様に、厚生労働省のウェブサイト(《https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyouchouseijoseikin_20200410_forms.html》)の【緊急雇用安定助成金 【雇用保険被保険者以外の方の休業用】】の部分をご確認ください。なお、雇用調整助成金と同様に、5月19日以降、小規模事業者(従業員が概ね20人以下の会社や個人事業主の方)については、申請書類が簡略化されていますのでご注意ください。


Q10: 雇用調整助成金の申請はもう受付を開始していますか。また、申請に期限はありますか。
A10: はい、開始しています。申請先は、事業所の所在地を管轄する都道府県労働局又はハローワークです(《https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10702.html》)。郵送での申請も受け付けています。
 雇用調整助成金は「支給対象期間」ごとに申請します。申請期限は支給対象期間の末日の翌日から2ヶ月以内です。なお、上記申請先、申請期限についての説明は、Q3で紹介した緊急雇用安定助成金の場合にも当てはまります。

(2) 持続化給付金


Q1: 持続化給付金とはどのような制度ですか。
A1: 新型コロナウイルス感染症の拡大により、営業自粛等により特に大きな影響を受ける事業者を対象として、事業全般に広く使える給付金を支給する制度です。

Q2: 持続化給付金は、NPO等も対象となりますか。
A2: NPO等も対象になります。具体的な要件については、下記のA3をご参照ください。なお、任意団体は給付対象とはなりません。
また、NPO等のうち、非営利法人に該当する一般社団法人及び一般財団法人、並びに全ての公益社団法人、公益財団法人及びNPO法人については、申請に関する(1)証拠書類、(2)算定式及び基本情報につき、特例が設けられています。

Q3: 持続化給付金はどのような場合に受給できますか。
A3: 持続化給付金を受給するには、以下の条件を満たすことが必要です。
(1) 2020年4月1日の時点で資本金の額又は出資の総額(基本金を有する法人については基本金の額、一般財団法人については当該法人に拠出されている財産の額)が10億円未満であるか、資本金の額又は出資の総額が定められていない場合には、常時使用する従業員の数が2000人以下である法人(一般社団法人・公益社団法人については、さらに構成員の3分の2以上が個人であるか、給付対象要件を満たす法人)であること。
(2) 2019年以前から事業により事業収入(売上)を得ており、今後も事業を継続する意思があること。
(3) 2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、前年同月比で事業収入が50%以上減少した月(対象月)が存在すること。
 9月1日以降に申請する方の各要件の詳細については、持続化給付金申請要領6頁《https://jizokuka-kyufu.go.jp/assets/files/houjin/guidance_company__20200929.pdf#page=6》をご確認ください。

Q4: 持続化給付金の給付額はどのように計算されますか。
A4: 原則として、前年度の年間事業収入から、対象月の月間事業収入の12倍を差し引いた金額が給付額となります(10万円未満は切り捨て)。ただし、この金額が200万円を超える場合は、給付額は200万円となります(参考:持続化給付金申請要領9頁(給付額の算定方法)《https://jizokuka-kyufu.go.jp/assets/files/houjin/guidance_company__20200929.pdf#page=9》)。

給付額(上限200万円)対象月の属する事業年度の直前の事業年度の年間事業収入対象月の月間事業収入×12

※2019年に設立した法人など、上記の計算では不都合がある場合については特例があります。詳しくは、持続化給付金申請要領23頁以降(証拠書類等及び給付額の算定に関する特例)《https://jizokuka-kyufu.go.jp/assets/files/houjin/guidance_company__20200929.pdf#page=23》をご確認ください。
NPO等のうち、非営利法人に該当する一般社団法人及び一般財団法人、並びに全ての公益社団法人、公益財団法人及びNPO法人については、次の算定式によって給付額を算定します(下線部分が上記算定式との相違点です。)。詳しくは、持続化給付金申請要領38頁以降(NPO法人や公益法人等特例)《https://jizokuka-kyufu.go.jp/assets/files/houjin/guidance_company__20200929.pdf#page=38》をご確認ください。

給付額(上限200万円)対象月の属する事業年度の直前の事業年度の年間収入対象月の月間収入×12

※1 年間収入及び月間収入には、寄付金、補助金、助成金、金利等による収入など、株式会社でいう営業外収益に当たる金額は含まれず、法人の事業活動によって得られた収入(公益法人に当たる場合は、国・地方公共団体からの受託事業による収入も含まれます)のみが対象となります。
※2 前年度の年間収入は、確定申告書類以外の一定の書類で証明することも認められています。ただし、この特例を用いる場合には、給付までに通常よりも時間を要する場合があるとされている点に留意が必要です。


Q5: 持続化給付金制度は他の給付金等の制度と併用することができますか。
A5: 現状では、持続化給付金制度の申請要領、申請規程、給付規程等関連書類に制度の併用に関する明確な規定はありません。申請要領には、給付額の算定について「対象月の事業収入については、地方公共団体から休業要請に伴い支給される協力金などの現金給付を除いて算定することができます」との記載があるものの(参考:持続化給付金申請要領6頁(給付対象者・不給付要件)《https://jizokuka-kyufu.go.jp/assets/files/houjin/guidance_company__20200929.pdf#page=6》)、一部地方公共団体においては、持続化給付金を申請していないことが支給要件とされている例もあります。そのため、併用を考えている給付金等の制度の支給要件についても確認してください。

Q6: 持続化給付金の申請はもう受付を開始していますか。
A6: はい、開始しています。オンラインでの申請が原則となっており、申請期限は2021年1月15日(金)までとなっています。9月1日以降に申請する方につき、申請の詳細については、持続化給付金ウェブサイト《https://jizokuka-kyufu.go.jp/》に記載があります。

(3) 都道府県の協力金


Q1: 協力金とはどのような制度ですか。
A1: 都道府県知事による要請や協力依頼に応じて、休業や施設の使用停止等を行った事業者に対し、協力金として一定額が支給される制度です。

Q2: 全ての都道府県に協力金制度があるのですか。また、内容はどの都道府県でも同じですか。
A2: 協力金制度は、都道府県独自の制度なので、都道府県によっては制度がないところもあります。また、制度があるところでも、支給額や対象等、内容は都道府県によって異なります。各都道府県及び市町村の休業協力金については、独立行政法人中小企業基盤整備機構のウェブサイト《https://j-net21.smrj.go.jp/support/kyugyo.html》に一覧が掲載されています。

Q3: 協力金は、NPO等も対象となりますか。
A3: 協力金の対象は、都道府県によって異なるため、各都道府県において定められている支給要件をご確認ください。

(4) 小学校休業等対応助成金


Q1: 小学校休業等対応助成金とはどのような制度ですか。
A1: 新型コロナウイルス感染症に関する対応として、小学校等の臨時休業等によりその小学校等に通う子どもの世話を行うことが必要となる保護者である労働者に有給休暇を取得させた事業主に助成金を支給する制度です。

Q2: NPO等も小学校休業等対応助成金の対象となりますか。
A2: はい、支給対象である「事業主」には法人が含まれるため、NPO等も対象となります。

Q3: 小学校休業等対応助成金はどのような場合に受給できますか。
A3: (1)2020年2月27日から12月31日までの間に、(2)新型コロナ感染症による小学校等の休業等により、子どもの世話を保護者として行うことが必要となった労働者に対し、(3)労働基準法39条の定める年次有給休暇とは別に、年次有給休暇の場合と同等の賃金を支払う休暇を取得させた場合に受給できます。対象となる労働者が、正規雇用か非正規雇用かは問いませんが、有給休暇を取得した労働者は、申請日時点において1日以上は勤務したことのある労働者であることが必要になります。要件の詳細は、厚生労働省の支給申請の手引き2頁《https://www.mhlw.go.jp/content/000682084.pdf#page=2》に簡潔にまとまっています。

Q4: 小学校等は開校しているものの、自主的な判断で子どもに学校を休ませた保護者に与えた休暇も助成の対象になりますか。
A4: なりません。ただし、新型コロナウイルスに感染した場合に重症化するリスクの高い基礎疾患等を有するなど特定の条件を満たす子どもについて、学校長が、新型コロナウイルスに関連して出席しなくてもよいと認めた場合等は、そのような子どもの世話をする必要がある労働者に与えた休暇も助成の対象になります。

Q5: 助成の要件を満たす労働者に労働基準法上の年次有給休暇を既に取得させてしまいました。このような場合、年次有給休暇に対して支払った賃金は助成金の対象とはならないのでしょうか。
A5: 既に取得された年次有給休暇、欠勤や、勤務時間短縮などを、事後的に助成要件を満たす有給休暇に振り替えた場合にも、助成対象となります。ただし、事後的にこの有給休暇に振り替えることについて労働者本人に説明し、同意を得る必要があります。

Q6: 助成金の金額はどのように計算されますか。
A6: 有給休暇を取得した労働者の日額換算賃金額(対象労働者に支払われる通常の賃金を日額換算したもの)×有給休暇の日数で算出した合計額が助成額となります。
ただし、日額換算賃金額には上限額があります(2月27日から3月31日までの休暇分については日額上限額は8,330円、4月1日以降取得した休暇分については日額上限額を15,000円)。日額換算賃金額の詳しい算出方法については、支給要領の「支給額の算定方法」の項目をご確認ください(雇用保険被保険者用5頁《https://www.mhlw.go.jp/content/000677580.pdf#page=6》、雇用保険被保険者以外用5頁《https://www.mhlw.go.jp/content/000677606.pdf#page=6》参照)。

Q7: 小学校休業等対応助成金制度は他の給付金等と併用可能ですか。
A7: 雇用保険被保険者を雇用する場合に利用できる一部の助成金・支給につき、同一の対象労働者の同一の日又は期間についての併用が禁止されています。併用が禁止されている助成金・支給については、支給要領の「併給調整」の項目をご確認ください(雇用保険被保険者用6頁《https://www.mhlw.go.jp/content/000677580.pdf#page=7》)。

Q8: 小学校休業等対応助成金の申請は、もう受付を開始していますか。
A8: はい、開始しています。小学校休業等対応助成金の申請を行う事業主は、令和2年2月27日から同年9月30日までの休暇取得分については2020年3月18日から12月28日までに、令和2年10月1日から同年12月31日までの休暇取得分については、令和2年10月1日から令和3年3月31日まで申請書を提出する必要があります(支給申請の手引き1頁《https://www.mhlw.go.jp/content/000682084.pdf》)。

(5) その他の制度


Q1: NPO等が利用できるテレワークの推進のための制度はありますか。
A1: 中小機構(独立行政法人中小企業基盤整備機構)が提供しているIT導入補助金があります。IT導入補助金は、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、非対面ビジネスモデルへの転換、テレワーク環境の整備等、具体的な対策に取り組む事業者によるITツールの導入を優先的に支援するために創設されたものです。該当する事業者に対し、特別枠を設け、補助率を拡充する等の措置が採られています。IT導入補助金は従業員数の上限はありますが、NPO等も対象に含まれています。補助金の詳細は、IT導入補助金ウェブサイト《https://www.it-hojo.jp/》をご確認ください。

3. 税金の延納・軽減措置等

(1) 国税


Q1: 新型コロナウイルス感染症の影響で資金繰りが悪化したため、期限までに法人税等の国税を納付することが困難です。納税を猶予してもらえないでしょうか。
A1: 2020年4月30日より、新型コロナウイルス感染症の影響により収入が大幅に減少した納税者を対象に、納税の猶予の特例制度(特例猶予)が創設されました。
特例猶予を利用した場合、原則として1年間、無担保かつ延滞金なしで国税(2020年2月1日から2021年1月31日までの間に納期限が到来する法人税及び消費税等ほぼ全ての税目)について、特例猶予を受けることができます。
特例猶予の適用を受けるためには、
(1) 新型コロナウイルス感染症やそのまん延防止のための措置の影響により、2020年2月1日以降の任意の期間(1か月以上)において、事業等に係る収入に相当の減少があったこと。
(2) 一時に納税を行うことが困難であること。
が必要です。ただし、上記の要件を満たさない場合であっても、個別の事情がある場合(たとえば、新型コロナウイルス感染症の患者が発生した施設で消毒作業が行われたことにより、備品や棚卸資産を廃棄した場合など)には、特例猶予とは別に延滞税なしで納税の猶予が認められることがあります。

Q2: 特例猶予は、NPO等も対象となりますか。
A2: 特例猶予の対象となる「納税者」について、NPO等を除外する旨の規程等はないため、NPO等も対象となるものと考えられます。

Q3: 特例猶予では、「新型コロナウイルス感染症やそのまん延防止のための措置の影響により事業等に係る収入に相当の減少があった」ことが要件とされていますが、この要件について詳しく教えてください。
A3: 「事業等に係る収入」とは、臨時的な収入である各種給付金(例:持続化給付金)等を除いた納税者の経常的な収入を指します(参照:国税の納税の猶予制度FAQ 問31,32《https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/pdf/0020004-96.pdf#page=21》)。事業等に係る収入に「相当の減少」があったかどうかは、納税者の状況に配慮して判断されることとなっていますが、2020年2月1日から納期限までの間の任意の期間(1か月以上)において、事業等に係る収入が前年同期に比べて概ね20%以上減少していれば、「相当の減少」があったものと認められるとされています(参照:国税の納税の猶予制度FAQ 問25,26《https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/pdf/0020004-96.pdf#page=19》)。特例猶予の適用を申請するに当たり、収入の減少が新型コロナウイルス感染症やそのまん延防止のための措置の影響によるものといえるかどうかを証明する必要はなく、申請書にあらかじめ記載してある項目(「イベント等の自粛で収入が減少」等)の中から該当するものを選んでチェックするのみで足ります(参照:国税の納税の猶予制度FAQ 問24《https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/pdf/0020004-96.pdf#page=19》)。

Q4: 特例猶予の要件である「一時に納税を行うことが困難」とはどういう場合を指しますか。
A4: 「一時に納税を行うことが困難」とは、納付すべき国税の全額を一時に納付する資金がないこと、又は納付すべき国税の全額を一時に納付することにより事業の継続が困難になることをいいます。具体的には、手元資金から当面の資金繰りに必要な金額(事業継続のため6か月以内に支出が予定されている金額その他事業継続のために臨時で支出することが必要と見込まれる金額)を差し引いた金額が、納付すべき国税の額に満たない場合が該当します(参照:国税の納税の猶予制度FAQ 問17,18,19《https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/pdf/0020004-96.pdf#page=16》)。

Q5: 特例猶予を受けるためには、申請が必要ですか。また、申請はもう受付を開始していますか。
A5: はい、特例猶予は申請がなければ受けられません。申請の受付は既に開始しています。申請期限は、2020年6月30日又は納期限のいずれか遅い日までです。

Q6: 国税に係る特例猶予の要件を満たさない場合、どうしたらよいでしょうか。
A6: 延滞税の納付や担保の提供が必要となる可能性がありますが、既存の猶予制度の適用が認められる場合があるため、最寄りの税務署等にご相談ください。

Q7: 国税に関して、NPO等が利用することができる制度は他にありませんか。
A7: 消費税の課税事業者の選択に当たり、課税期間開始後であっても税務署長の承認を受けて消費税の課税事業者を選択する(又はやめる)ことができることとする特例や、金融機関等が新型コロナウイルス感染症により影響を受けた事業者に対して行う特別な貸付けに係る契約書についての印紙税を非課税とする特例、欠損金の繰戻還付の拡充制度等があります。

(2) 地方税


Q1: 地方税については、徴収猶予制度はありませんか。
A1: 地方税についても、国税同様に、原則として1年間、無担保かつ延滞金なしで、2020年2月1日から2021年1月31日までの間に納期限が到来する地方法人税及び固定資産税等ほぼ全ての税目について徴収の猶予を受けることができる特例制度(徴収猶予)が創設されました。
徴収猶予の適用を受けるためには、
(1) 新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年2月以降の任意の期間(1か月以上)において、事業等に係る収入が前年同期に比べて概ね20%以上減少していること。
(2) 一時に納付し、又は納入を行うことが困難であること。
が必要です。

Q2: 徴収猶予は、NPO等も対象となりますか。
A2: 徴収猶予の対象となる「納税者」について、NPO等を除外する旨の規定等はないため、NPO等も対象となるものと考えられます。

Q3: 徴収猶予の要件はどうなっていますか。
A3: 現在公表されている情報の範囲では、基本的な考え方は、国税の特例猶予の要件と同様であると考えられます。今後、各自治体において、要件の詳細が公表されるものと思われますのでご確認ください。

Q4: そもそも、地方税の額を減らしてもらえる制度はありませんか。
A4: 2020年4月30日の地方税法の改正により、同年2月から10月までの任意の3か月間の売上高が前年同期に比べて30%以上減少している中小事業者等を対象に、償却資産と事業用家屋に係る固定資産税・都市計画税の軽減措置が創設されました。
また、自動車税・軽自動車税環境性能割の臨時的軽減措置の適用期限が半年延長され、2021年3月31日までに取得された自動車が対象となりました。

Q5: A4の措置は、NPO等も対象となりますか。
A5: 対象となる「納税者」について、NPO等を除外する旨の規定等はないため、NPO等も対象になるものと考えられます。

(3) 社会保険料


Q1: 労働保険料等について、納付猶予制度はありませんか。
A1: 労働保険料等については、2020年4月30日より、新型コロナウイルス感染症の影響により、事業に係る収入に相当の減少があった事業主を対象に、納付猶予の特例制度が創設されました。
 特例制度を利用した場合、原則として1年間、無担保かつ延滞金なしで、2020年2月1日から2021年1月31日までに納期限が到来する(1)一般保険料、(2)第1種・第2種・第3種特別加入保険料、(3)特例納付保険料、(4)労災保険の特別保険料、(5)石綿健康被害救済法に基づく一般拠出金について、納付猶予を受けることができます。
 納付猶予の適用を受けるためには、
(1) 新型コロナウイルスの影響により、2020年2月以降の任意の期間(1か月以上)において、事業に係る収入が前年同期に比べて概ね20%以上減少していること
(2) 労働保険料等を一時に納付を行うことが困難であること
が必要です。
 問合せは、管轄の都道府県労働局で受け付けています。

Q2: 厚生年金保険料等について、納付猶予制度はありませんか。
A2: 厚生年金保険料等についても、2020年4月30日より、新型コロナウイルス感染症の影響により、事業等に係る収入に相当の減少があった事業主を対象に、特例制度が創設されました。
 特例制度を利用した場合、原則として1年間、無担保かつ延滞金なしで、2020年2月1日から2021年1月31日までに納期限が到来する(1)厚生年金保険料、(2)国民健康保険料、(3)子ども・子育て拠出金等について、納付猶予を受けることができます。
 納付猶予の適用を受けるためには、
(1) 新型コロナウイルスの影響により、2020年2月以降の任意の期間(1か月以上)において、事業等に係る収入が前年同期に比べて概ね20%以上減少していること
(2) 厚生年金保険料等を一時に納付することが困難であること
が必要です。
 問合せは、管轄の年金事務所又は厚生年金保険料納付猶予相談窓口で受け付けています。

Q3: 国民健康保険以外の健康保険料については、納付猶予制度はありませんか。
A3: 健康保険料については、健康保険組合が、それぞれの判断により納期限の延長及び納付猶予を行うことができるとされています。
 加入されている健康保険組合にご確認ください。

Q4: 介護保険料については、納付猶予制度はありませんか。
A4: 介護保険料の徴収等については、市町村及び特別区が行うこととなっており、介護保険料の減免又は徴収の猶予について個別に条例で定めていますので、所在地の市町村又は特別区の担当部署にご確認下さい。

Q5: 労働保険料及び厚生年金保険料の各納付猶予制度は、NPO等も対象となりますか。
A5: 納付猶予の対象となる「事業主」について、NPO等を除外する旨の規定等はないため、NPO等も対象となるものと考えられます。
 健康保険料及び介護保険料については、健康保険組合又は市町村若しくは特別区にお問い合わせください。

(4) ライフライン関係


Q1: 資金繰りが逼迫しており、水道光熱費が払えません。支払いを猶予してもらうことはできますか。
A1: 水道料金については、自治体ごとに減免措置が取られていることがあります。事業所所在地の自治体又は水道局にお問い合わせください。
電気・ガス料金については、電気・ガス事業者が料金支払いの猶予等の措置を行っており、経済産業省が各事業者の対応状況を公表しています。ご利用の電気・ガス事業者の対応をご確認ください。
・措置を実施している電気事業者一覧
 https://www.enecho.meti.go.jp/coronavirus/pdf/list_electric.pdf
・措置を実施しているガス事業者一覧
 https://www.enecho.meti.go.jp/coronavirus/pdf/list_gas.pdf

Q2: 資金繰りが逼迫しており、通信費やテレビの受信料が払えません。支払いを猶予してもらうことはできますか。
A2: 各事業者が利用料の支払期限を延長するなどの対応をとっており、総務省が各事業者の取組状況を公表しています。ご利用の事業者の取組状況をご確認ください。
 https://www.soumu.go.jp/main_content/000682993.pdf
また、NHKでは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響を受けて、以下の対応を実施しています。
 https://pid.nhk.or.jp/jushinryo/corona_jigyousyo_tasuu.html

・事業所割引の適用解除期間の緩和
 通常、事業所割引は、連続6期間にわたって受信料の支払いがない場合には、適用が解除されることになっていますが、2020年2月から7月末までの期間については、受信料の支払いがない場合であっても、「連続6期間」に通算されません。

・事業所割引の申込受理期間の延期
 通常、事業所割引は、「申込書を受理した月」から割引の適用を開始する(支払開始の翌月以降に申込書が受理された場合、支払開始月から申込書の受理月までの間、割引は適用されない)ことになっていますが、2020年1月から6月までの間に受信機を設置して同年8月末日までに受信契約を締結し、事業所割引申込書を受理した場合、事業所割引は受信料の支払開始月にさかのぼって適用されます。

・多数一括割引の割引適用期間の延伸
 2020年2月から7月末までの期間は、受信料の支払いを延滞しても、2020年8月1日から1年以内に一括して支払えば、多数一括割引の適用を受けることができます。

(5) 賃料


Q1: 賃料が支払えないのですが、賃料の支払を猶予してもらうことはできないのでしょうか。また、賃料の減額や免除を認めてもらうことはできないのでしょうか。
A1: 現状では、賃料の支払を猶予してもらったり、減額や免除を認めてもらったりするためには、(1)貸主と個別に交渉して合意する方法、(2)賃料減額請求による方法の2つが考えられます。これらの方法の詳細は、Q3以下をご覧ください。
 また、2020年5月における緊急事態宣言の延長等を受けて設けられた家賃支援給付金の制度により、賃料負担軽減のための給付金の支給を受けることが可能になる場合があります。詳細についてはQ8をご覧ください。

Q2: テナントが新型コロナウイルス感染症の影響で営業を休止せざるを得なかった場合、営業を休止していた期間の賃料が当然に減免されることにはならないのでしょうか。
A2: まず、賃貸借契約上、テナントがやむを得ず営業を休止した場合の賃料に関する条項があれば、それによることになります。そのような契約条項がない場合であっても、賃料は賃貸物件を使用することの対価であり、原則として、オーナーがテナントに対し賃貸物件を使用させることができていない場合には、テナントの賃料支払義務も発生しないと考えられることから、テナントが営業休止に至った理由によっては、賃料の減免が認められる可能性もあります。例えば、賃貸物件を含む建物のオーナーが建物全体を施錠するなどして閉鎖し、テナントが賃貸物件に立ち入れないために営業を休止せざるを得なくなった場合、オーナーは賃貸物件を使用収益させる義務を果たしていないことになるため、テナントは賃料支払義務を負わないと考えられます。
 他方、オーナーが賃貸物件の使用を認め、実際に使用可能な状態にしているにもかかわらず、テナントが自主的に営業を休止している場合は、オーナーは賃貸物件を使用収益させる義務を果たしているため、テナントは賃料支払義務を免れないと考えられます。
 もっとも、これらはあくまで原則的な考え方であり、新型コロナウイルス感染症の拡大を抑える必要があるという社会的な要請の下でも同様に妥当すると言えるのかについては、個別具体的な事情に即した判断が必要になります。そのため、新型コロナウイルス感染症の影響で営業を休止せざるを得なくなり、賃料の支払いが困難となった場合には、上記のような原則を踏まえつつも、できるだけオーナーとテナントとの誠実な協議により解決を図るのが望ましいと考えられます。

Q3: 賃料支払の猶予や減免を受けるための貸主との交渉について、詳しく教えてください。
A3: 新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、国土交通省から、不動産関連団体を通じて、賃貸事業者に対し、飲食店をはじめとする事業を営むテナントに対する賃料の支払の猶予などの柔軟な措置の実施の検討が要請されています。また、貸主が賃料の減免に応じた場合、一定の要件を満たすときには、その分の金額を貸主の損金に算入することが可能となることが明確化されています。まずは貸主に連絡を取り、新型コロナウイルス感染症の影響で業績が悪化しているなどの事情を伝えた上で、賃料の支払の猶予や減免に応じてくれないか相談することが考えられます。また、国土交通省は、貸主が賃料の減免に応じる場合に貸主と借主との間で作成すべき覚書のひな形(https://www.mlit.go.jp/common/001342992.pdf)も公開していますので、相談の結果、賃料の減免が受けられることとなった場合にはご利用をご検討ください。

Q4: 貸主が賃料減額に応じてくれません。どうしたらよいでしょうか。
A4: 減額に応じてもらえない場合、賃貸借契約に賃料増減額に関する条項が規定されているときには、当該条項に基づいて賃料の減額を請求することができないかを検討することが考えられます。賃貸借契約にそのような条項がない場合には、借地借家法に基づく賃料減額請求を検討することが考えられます(借地借家法11条、32条)。賃料減額請求とは、不動産の賃料が経済事情の変動等によって不相当な金額になった場合に、相当な金額に下げてほしいと請求する権利です。この請求をした場合、まずは貸主との間で、現在の賃料額が不相当であるか否か等について協議することになると考えられますが、既に交渉による減額に応じてもらえていない状況で賃料減額請求を行う場合、協議によって合意に至ることは難しいと思われます。そのような場合には、まずは調停を申し立て、調停で解決しない場合には訴訟を提起することになりますが、賃料減額請求を行ってから調停や訴訟の決着がつくまでの間は、貸主が相当だと考える金額(多くの場合従前の賃料額)を支払い続ける必要があります。ただし、借主がすでに支払った金額が、調停又は訴訟で確定した相当な金額よりも高い場合、超過額に利息を付けて貸主から返してもらえることになります。なお、定期建物賃貸借では、契約内容によっては賃料減額請求ができないことがあります(借地借家法38条7項)。

Q5: 支払えない賃料は、敷金から差し引いてもらえないのでしょうか。
A5: 貸主は、賃料が支払われない場合、貸主自身の判断によって敷金から賃料相当額を差し引くことができます。ただし、賃料相当額を敷金から差し引くかあくまで賃料の支払を求めるかは貸主の自由であり、借主の側から、賃料の支払の代わりに賃料相当額を敷金から差し引くよう請求することはできません。
 もっとも、新型コロナウイルス感染症の影響でテナントが苦しんでいることに配慮してくれる貸主も存在するかもしれませんので、敷金から賃料を差し引いてもらえないか、まずは貸主に相談することが考えられます。

Q6: 賃料を支払えないでいたところ、貸主から訴訟を提起すると通告されてしまいました。支払に応じなければならないのでしょうか。
A6: 賃貸借契約に賃料の支払義務が定められている以上、原則として、借主には賃料を支払う義務があります。賃料を支払うことが難しい場合には、支払期限の前に貸主に相談すべきと考えられます。
 民法には、債務者(契約上義務を負う人)が不可抗力によって義務を果たせない場合には、義務が果たせないことによって生じた損害を賠償しなくて良いと定める決まりもあります(民法415条1項但書)が、金銭債務である賃料債務は、不可抗力が生じたからといって支払を免れることができないのが原則です(同法419条3項)。また、契約後に、社会状況等が大きく変化し、当初の契約内容を守らせることが契約当事者にとってあまりにも酷であると考えられる場合には、契約内容を変更することができるという考え方もあります(事情変更の原則)。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済状況の悪化により、事情変更の原則が適用されて、賃料支払の猶予又は減免が認められる余地が出てくると考えることができないわけではありませんが、個々の事情に則した判断が必要となりますので、まずは専門家に相談することが望ましいと言えます。

Q7: 新型コロナウイルス感染症の影響で資金繰りが悪化し、数か月間賃料を支払えないでいたところ、貸主から賃貸借契約を解除するので、明渡しを求めるとの連絡を受けてしまいました。不動産を明け渡さなければならないのでしょうか。
A7: 不動産賃貸借契約は、当事者間の信頼関係を基礎とする継続的な契約です。したがって、当事者の一方が、契約に違反してその信頼関係を裏切ったことにより、賃貸借関係の継続が著しく困難になった場合(これは「信頼関係の破壊」と呼ばれています)には、裏切られた側の当事者による契約の解除が認められる場合があります。借主が賃料を支払わないことは、信頼関係を裏切る行為の1つに該当すると思われますが、他方で、たとえば、支払ができなくなった理由が新型コロナウイルス感染症の拡大とそれによる社会全体の経済の停滞という突発的かつ借主のせいではない事情であること、新型コロナウイルス感染症により借主の事業に重大な悪影響が生じていること、賃料の不払の期間が短期間であること、賃料の支払が困難である状況について早期に貸主に相談し貸主に対して誠実に対応したこと等の事情は、信頼関係の破壊を否定する要素として勘案される可能性があると考えられます。
 信頼関係が破壊されたかどうかは、様々な個別具体的な事情に即した判断が必要となりますので、早めに専門家に相談することが望ましいと言えます。

Q8: 家賃支援給付金とは何ですか。NPO法人等も対象となるのでしょうか。また、給付を受けることができる額についても教えてください。
A8: 家賃支援給付金とは、土地や建物の賃料の負担を軽減し、売上の減少に直面する事業者の事業の継続を支援することを目的とする給付金です。
 対象となるのは、資本金10億円未満の事業者で、NPO法人など会社以外の法人も幅広く対象となります。具体的には、次の4つの要件を全て満たす事業者が対象です。
(1) 2020年4月1日時点で、次のいずれかにあてはまる法人であること。
  (a) 資本金の額または出資の総額(基本金を有する法人については基本金の額、一般財団法人については当該法人に拠出されている財産の額)が10億円未満であること。
  (b) 資本金の額または出資の総額が定められていない場合は、常時使用する従業員の数が2000人以下であること。
(2) 2019年12月31日以前から事業収入(以下、「売上」という。)を得ており、今後も事業を継続する意思があること。
(3) 2020年5月から2020年12月までの間で、新型コロナウイルス感染症の影響により、以下のいずれかにあてはまること。
  (a) いずれか1か月の売上が前年の同じ月と比較して50%以上減っている。
  (b) 連続する3か月の売上の合計が前年の同じ期間の売上の合計と比較して30%以上減っている。
(4) 他人の土地・建物を自身で営む事業のために直接占有し、使用・収益(物を直接に利活用して利益・利便を得ること)をしていることの対価として、賃料の支払を行っていること。

給付の対象となる契約は、原則として、以下のすべてにあてはまることが必要です(例外については「家賃支援給付金申請要領 中小法人等向け 別冊(https://yachin-shien.go.jp/docs/pdf/application_guidance_addition_company.pdf)」をご覧ください)。
(1) 2020年3月31日時点で、有効な賃貸借契約があること。
(2) 申請日時点で、有効な賃貸借契約があること。
(3) 申請日より直前3ヶ月間の賃料の支払の実績があること。

給付される額は、月額上限100万円、総額最大600万円で、次の算定式に従って計算された額となります。
(1) 申請日の直前1か月以内に支払った賃料が75万円以下の場合
  (賃料の3分の2)×6倍
(2) 申請日時点で、有効な賃貸借契約があること。
  (賃料の上限75万円の3分の2(=50万円))×6倍(=300万円)+(支払った賃料のうち75万円を超える金額の3分の1)×6倍(ただし、上限は600万円)

  申請の受付期間は、2021年1月15日までとなっています。家賃支援給付金の詳細については、経済産業省・中小企業庁「家賃支援給付金に関するお知らせ 2020年8月11日版」(https://yachin-shien.go.jp/docs/pdf/pamphlet.pdf)及び本サイトのNPO向け参考リンク集「第三 資金繰りに関する情報 2. NPO等を対象とする助成金等 (6) 家賃支援給付金」をご覧ください。

4. 融資等

(1) 新型コロナウイルス感染症特別貸付


Q1: 新型コロナウイルス感染症特別貸付とはどのような制度ですか。
A1: 新型コロナウイルス感染症の影響を受け、一時的に財政状況が悪化している事業者を対象に、設備資金や運転資金に利用可能な融資を行う制度です。新型コロナウイルス感染症特別貸付には、日本政策金融公庫及び沖縄振興開発金融公庫が行っているものと、商工組合中央金庫が行っているものがあります。なお、商工組合中央金庫が行っている新型コロナウイルス感染症特別貸付により融資を受けるには、同金庫の株主である中小企業の組合に加入する必要があるとされている点にご留意ください。

Q2: 新型コロナウイルス感染症特別貸付は、NPO等も対象となりますか。
A2: 日本政策金融公庫の新型コロナウイルス感染症特別貸付は、国民生活事業と中小企業事業の2種類ありますが、NPO等は、国民生活事業において貸付の対象となる可能性があります(中小企業事業の貸付の対象にはなりません。)。詳細は、日本政策金融公庫国民生活事業の最寄りの支店にお問い合わせください(参考:政府系金融機関の融資をご検討されている方へ 相談窓口に寄せられたよくある質問 問8《https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/faq2.pdf#page=2》)。
沖縄振興開発金融公庫が行っている新型コロナウイルス感染症特別貸付及び商工組合中央金庫が行っている新型コロナウイルス感染症特別貸付については、現時点で、NPO等の利用可否について明確な案内は出ていません。利用をご希望の場合は、個別にお問い合わせください。

Q3: 新型コロナウイルス感染症特別貸付による融資を受けるためには、どのような要件がありますか。
A3: 新型コロナウイルス感染症特別貸付による融資を受けるには以下の要件を満たす必要があります。
(要件)
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、一時的な業況悪化を来している事業者であって、次の1又は2のいずれかに該当し、かつ中長期的に業況が回復し、発展することが見込まれる方
1 最近1か月の売上高が前年又は前々年の同月と比較して5%以上減少している事業者
2 業歴3か月以上1年1か月未満の場合等は、最近1か月の売上高が次のいずれかと比較して5%以上減少している事業者
(1) 過去3か月(最近1か月を含みます。)の平均売上高
(2) 2019年12月の売上高
(3) 2019年10月から12月の平均売上高
※1 上記1の「前年又は前々年」の同期における売上高について、自然災害や事業者本人の怪我・病気、店舗の建替など特殊事情の影響を受けている場合は、一定の要件に合致すれば、当該特殊事情の影響を受ける前の直近の同期の売上高と比較できるとされています。詳細は、申込み・面談時にご確認ください。
※2 商工組合中央金庫の新型コロナウイルス感染症特別貸付制度を利用する場合には、上記要件に加えて、同金庫の株主である中小企業の組合に加入する必要があります。

Q4: 新型コロナウイルス感染症特別貸付の申請はもう受付を開始していますか。
A4: はい、開始しています。最新の情報や相談窓口、申込みの際の提出書類、申込手続に関しましては、以下のウェブサイトをご参照ください。
日本政策金融公庫:https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/covid_19_m.html
沖縄振興開発金融公庫:https://www.okinawakouko.go.jp/3748
商工組合中央金庫:https://www.shokochukin.co.jp/disaster/corona.html

Q5: 日本政策金融公庫又は沖縄振興開発金融公庫の新型コロナウイルス感染症特別貸付と商工組合中央金庫の新型コロナウイルス感染症特別貸付は併用できますか。
A5: 一部の報道で併用可能とされておりますが、各金融機関による公式見解は発表されていないため、併用を希望される方は個別にお問い合わせください。

Q6: 当座の「つなぎ融資」として民間金融機関からの融資を受けていますが、日本政策金融公庫の新型コロナウイルス感染症特別貸付に借換えることはできますか。
A6: 以下の要件を満たす「つなぎ融資」である場合には、民間金融機関からの借入金の借換に利用することができます。なお、「借換」とは、新たな融資により既存融資を完済させることであり、既存融資残高の一部のみの借換は含まれません(参考:【国民生活事業】新型コロナウイルス感染症特別貸付等に関するQ&A《https://www.jfc.go.jp/n/finance/saftynet/pdf/covid_19_faq.pdf》)。
1 事業者、民間金融機関のいずれからも、「日本政策金融公庫の新型コロナ感染症対策関連融資を受ける予定でいたが、その間のつなぎ融資と認識して民間金融機関から融資を受けた(民間金融機関は融資を行った)」ことが確認できること。
2 前1で受けた融資の実行日が、新型コロナウイルスに関する経営相談窓口の設置日(令和2年1月29日)以降であること。

(2) 新型コロナ対応経営資金


Q1: 独立行政法人福祉医療機構の新型コロナ対応経営資金とはどのような制度ですか。
A1: 新型コロナウイルス感染症により事業停止等になった福祉・医療関係施設に対し、優遇融資を実施する制度です。同制度には、福祉貸付事業と医療貸付事業の2種類があり、融資対象や要件が異なります。

Q2: 新型コロナ対応経営資金による融資は、NPO等も対象となりますか。
A2: 福祉・医療関係施設、事業を運営するNPO等も対象となる場合があります。福祉事業貸付については、主な融資対象施設・事業が掲載《https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/fukushi_corona_yuushitaisyou.pdf》されており、事業分野によって対象となる法人が異なりますので、ご確認ください。なお、沖縄県の医療施設を運営しているNPO等は新型コロナ対応経営資金を利用できないことに注意が必要です(参考:新型コロナウイルスの影響により事業の継続に支障がある事業者に対する長期運転資金の取扱いに係るQ&A Q15《https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/iryou_corona_qa.pdf#page=3》)。

Q3: 新型コロナ対応経営資金による融資を受けるためには、どのような要件がありますか。
A3: 新型コロナ対応経営資金による融資を受けるための要件は、厳密に規定されていませんが、主に以下のような事業主が利用可能とされています(参考:主な融資対象(福祉貸付事業医療貸付事業))。
<福祉貸付事業>
・新型コロナウイルス感染症の影響により、施設機能の一部又は全部を停止している事業者
・新型コロナウイルス感染症の影響により、一定程度サービス利用者及び収益が減少している事業者
・新型コロナウイルス感染症の影響により、今後一定程度サービス利用者及び収益の減少が見込まれる事業者
<医療貸付事業>
・新型コロナウイルス感染症の影響により、施設機能の一部又は全部を停止している事業者
・新型コロナウイルス感染症の影響により、一定程度サービス利用者及び収益が減少している事業者

Q4: 新型コロナ対応経営資金は新型コロナウイルス感染症特別貸付と併用できますか。
A4: 福祉医療機構と日本政策金融公庫の新型コロナウイルス感染症特別貸付を併用することはできないことになっています(参考:新型コロナウイルス感染症対応のための長期運転資金のQ&A 問16《https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/iryou_corona_qa.pdf#page=3》)。また、商工組合中央金庫が行っている新型コロナウイルス感染症特別貸付については、現時点で、新型コロナ対応経営資金との併用可否について明確な案内は出ていません。併用をご希望の場合は、個別にお問い合わせください。

(3) ローン返済等


Q1: 資金繰りが逼迫しており、金融機関に対する返済ができません。返済を猶予してもらうことはできますか。
A1: 金融庁から、各金融機関に対し、返済猶予を含めた融資条件の変更を行うよう要請等が出ています。これを受け、各金融機関において個別に対応を行っている場合がありますので、各金融機関にご確認ください。
(ご参考)金融庁「新型コロナウイルス感染症の影響による資金繰りやローンの返済等でお困りの皆様へ」:
https://www.fsa.go.jp/ordinary/coronavirus202001/06.pdf

本Q&Aは、今般の新型コロナウイルス感染拡大を踏まえて、一般的な情報を提供することを目的としたものであり、法的助言を目的とするものではありません。個別の案件については、当該案件の個別の状況に応じ、弁護士の適切な助言を求めていただく必要がありますのでご留意ください。

関連するリンク
NPO等向け参考リンク集
N&A Legal Insights: 新型コロナウイルス感染症対策と実務対応